- 働かないニッポン
- 著者:河合薫
- 発売日:2024年01月
- 発行所:日経BP
- 価格:990円(税込)
- ISBNコード:9784296118182
『働かないニッポン』の要点
1.日本では、仕事をしたくない若者が増加しており、その背景には「組織社会化過程の欠損」や「普通志向の高まり」などがある。
2.日本企業において、「ジジイの壁」や「日本的マゾヒズム」が深く根を張り、それが働く人たちの労働意欲の低下につながっている。
3.仕事を通じて幸せになるためには「SOC(首尾一貫感覚)」が重要であり、それは「把握可能感」「処理可能感」「有意味感」の3つの感覚から構成される。
『働かないニッポン』レビュー
「あなたは何のために働いていますか?」
この問いにさっと答えられる人は、どれくらいいるのだろうか。現代の日本社会において、働く意欲の低下が大きな問題となっている。『働かないニッポン』は、そうした日本の労働環境の実態に切り込んだ一冊である。
著者で健康社会学者の河合薫氏は、さまざまな研究結果をもとに日本人の働く意欲が失われている背景を多角的に分析している。その根底にある構造上の問題は、日本企業に根付いてきた「日本的マゾヒズム」や「ジジイの壁」だという。
こういった状況を打破するためのキーワードは「有意味感」である。有意味感をもてるようになれば、自らの幸せにつながり、半径3メートルの世界にいる人々をも巻き込んで、よりよい「働く環境」を作り出せるという。
「日々仕事をこなしているだけで、そこに意味を見出せない」「部下のモチベーション管理に悩んでいる」。こうした悩みを抱えるビジネスパーソンに、本書は救いの手を差し伸べてくれる。働き方の現状を見つめ直し、より幸せに働くためにはどうしたらいいのか? その実践的なアドバイスが詰まっているのだ。一読すれば視界が開けて、より自分らしい仕事のあり方を模索しようとエンパワーされるはずだ。
『働かないニッポン』が気になる方におすすめ
- リセットする習慣 やり場のない感情を整える62のヒント
- 著者:枡野俊明
- 発売日:2023年11月
- 発行所:明日香出版社
- 価格:1,540円(税込)
- ISBNコード:9784756922939