- 【新NISA完全攻略】月5万円から始める「リアルすぎる」1億円の作り方
- 著者:山口貴大
- 発売日:2023年11月
- 発行所:KADOKAWA
- 価格:1,650円(税込)
- ISBNコード:9784046065414
『【新NISA完全攻略】月5万円から始める「リアルすぎる」1億円の作り方』の要点
1.新NISAでの基本戦略は、生涯にわたって非課税投資できる金額の上限である1800万円をできるだけ早く入金し、長期で複利運用して資産を大きく育てることだ。
2.具体的には、S&P500か全世界株式に連動して値動きするインデックスファンドへのつみたて投資が基本だ。年齢などの状況に応じて、インデックスファンド以外の投資先の併用も検討しよう。
3.新NISAの弱点は、主に株式にしか投資できないことだ。つみたて投資を始めたあとは、米国ETFや個別株投資、債券での運用などに進み、金融リテラシー向上を目指そう。アンパンマンは善の心、バイキンマンは悪の心を表しているが、善の心だけでは精神的な抵抗力が育たない。成長には悪の心も必要である。
『【新NISA完全攻略】月5万円から始める「リアルすぎる」1億円の作り方』レビュー
「億り人」という言葉に象徴されるように、資産1億円の達成は個人投資家のひとつの到達点だ。しかし、文字通り桁外れの金額に、そこに至る道筋をイメージできない人も少なくないだろう。
ところが本書の著者であるライオン兄さんこと山口貴大氏は、2024年から始まる新NISAを利用すれば、1億円はけっして不可能な数字ではないと呼びかける。NISAとは、端的に言えば運用益を一定額まで非課税にしてもらえる、投資用口座のことだ。新NISAでは元手1,800万円までであれば、投資でいくら利益を出しても税金を払わなくてよい。これを利用して、定番のつみたて投資をしていけば、利益を控えめに見積もっても老後には総計1億円を受け取ることができる計算になる。この状況が作り出せれば、老後も安心して迎えられるというものだろう。
投資の入門書では、インデックスファンドへのつみたて投資、いわば「ほったらかし投資」が定番であるが、本書の特徴はその切り崩し方の試算例も豊富に掲載していること、そしてただの「ほったらかし」からの卒業を促していることにある。投資の最終目標はお金を増やすことではなく、増やしたお金を使うことである。資産の切り崩し方がわからなければ、人生の終盤に大損をしてしまうことになりかねない。そうならないためには、ただのほったらかしで終わらずに、金融リテラシーを身につける必要がある。新NISAをきっかけに投資を始めようとする人にも、すでに投資を始めている人にも、学びの多い一冊になるはずだ。
『【新NISA完全攻略】月5万円から始める「リアルすぎる」1億円の作り方』が気になる方におすすめ
- 日経マネーと正直FPが考え抜いた!迷わない新NISA投資術
- 著者:菱田雅生 大口克人
- 発売日:2023年05月
- 発行所:日経BP
- 価格:1,540円(税込)
- ISBNコード:9784296001552