究極の2択クイズ!?
突然ですが質問です! ここに二つのフランスパンの写真があります。
どちらか一つは木で出来ています。どっちでしょう?
木でできたフランスパンを当てる!? そんなの簡単でしょー!と思ったあなた、これをみても同じことが言えますか?
大人も子どもも必ず大盛り上がりする絵本が届きました! それが木彫りアーティスト・キボリノコンノさんの『どっち?』です。
本作は冒頭のフランスパンのようにキボリノコンノさんが制作した木彫りの食べ物と本物を並べて「どっち?」と当てるクイズ絵本です。カステラやチーズ、たい焼きにコーヒーなど計14問が収録されています。(表紙のフランスパンも含めたら15問ですね!)
五感に届く超リアルな作品たちは圧巻!
もうおわかりだと思いますが、このクイズ超難問! 私たちの想像を超えるリアルさに、ただただ驚きます。私は「開いた口がふさがらないって本当に起きるんだな」。妙に冷静な自己分析をしてしまうほど……!
木という特性から固いものを木彫りで再現するというのはまだわかります。キボリノコンノさんの作品の凄さは、上述したコーヒーのように滴る液体や、カステラのふわふわな質感までも木彫りと着色で表現できてしまうところです。木彫りの技術と同じくらい着色のセンスが抜群で、「木彫りの食材」という唯一無二の作品が生まれています。正直、ちょっと意味がわからない……(笑)。
また、どの作品も最高に美味しそうなこと! 絵本なのにいい匂いが漂ってくるようなものばかりです。サクッと感やしっとり感も伝わり、その食べ物が一番おいしそうに感じる瞬間を捉え再現されていると思うと、キボリノコンノさんの観察眼に舌を巻きます……!
さぞ長年の鍛錬が物を言っているだろうと思ったら、なんと2021年に趣味で始めたことがきっかけだとか! そんな経歴にも開いた口がふさがりません。
実際に全問挑戦! その結果は?
さて、我が家でも早速「キボリクイズ」に挑戦! 娘ちゃんはまだ1歳ということもあり、どのページもニコニコで「あ!」と指差しをしていました(笑)ということで、夫婦で対決!
大人が見ても全然わからず、「こっち!」と指さすと答えが割れる始末。ページをめくって答えを見ると「こっちかー!」「当たった―!」と大盛り上がり!
ただ、当たったといってもほぼ勘なので、二人そろって「いや、全然わかなんないわ……」と毎回あんぐり。最後まで大盛り上がりで楽しみました!
これは遊びに来た人みんなにやらせたいですね! 大人から子どもまで楽しめる絵本なのでプレゼントにも最適だと思います。
そして、キボリノコンノさんの公式YouTubeチャンネルでは作品の制作過程を観ることもできます。お子さんが木彫りであることを信じないときはぜひ見せてあげてください!
始まりが本当に「ひとつの木片」であることを目の当たりにすると改めて驚きます。
何かを徹底的に観察し、究極まで再現性を追及する美しさが詰まった一冊をぜひお手元でご覧ください!
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(レビュアー:Micha)
- どっち?
- 著者:キボリノコンノ 脇田あすか 山口日和
- 発売日:2023年12月
- 発行所:講談社
- 価格:1,760円(税込)
- ISBNコード:9784065332108
※本記事は、講談社BOOK倶楽部に2024年1月11日に掲載されたものです。
※この記事の内容は掲載当時のものです。