今回の文庫ランキングで第1位に初登場したのは、東野圭吾さんの『クスノキの番人』でした。本作は、ある一族が守り続けてきた“願いが叶う木”といわれる一本のクスノキを巡る物語で、東野さんがこれまで手掛けてきた『秘密』『時生』『ナミヤ雑貨店の奇蹟』に続くファンタジー作品です。
不当な理由で職場を解雇され、その腹いせに罪を犯し逮捕されてしまった玲斗。
同情を買おうと取調官に訴えるが、その甲斐もなく送検、起訴を待つ身となってしまった。そこへ突然弁護士が現れる。依頼人の命令を聞くなら釈放してくれるというのだ。依頼人に心当たりはないが、このままでは間違いなく刑務所だ。そこで賭けに出た玲斗は従うことに。
依頼人の待つ場所へ向かうと、年配の女性が待っていた。千舟と名乗るその女性は驚くことに伯母でもあるというのだ。あまり褒められた生き方をせず、将来の展望もないと言う玲斗に彼女が命令をする。「あなたにしてもらいたいこと――それはクスノキの番人です」と。(実業之日本社『クスノキの番人』特設サイトより)
クスノキの番人
著者:東野圭吾
発売日:2023年4月
発行所:実業之日本社
価格:990円(税込)
ISBN:9784408558035
第2位に初登場したのは、2020年に第163回直木賞を受賞した馳星周さんの『少年と犬』でした。悩み、傷付いた人々と、やせ細った野良犬の交流を描いた物語で、直木賞の選考委員を務めていた宮部みゆきさんは、「犬がまったく擬人化されていない、犬と出会う人間のストーリーがつづられているのが非常に優れている作品だという声が多かった」と語っていました。
本作は、『星守る犬』などで知られる村上たかしさんによって「文春オンライン」にて漫画化され、2022年には単行本も発売されています。
傷つき、悩む人々に寄り添う、一匹の犬がいた──。『#少年と犬 』は、東日本大震災で飼い主と別離した一匹の犬が、さまざまな人々との出会いと別れを繰り返しながら、東から西へと旅する物語。「3.11」から12年、コミック版も好評発売中です。#馳星周 #村上たかしhttps://t.co/ujwUXYNPi9 pic.twitter.com/pEbs1jAMaX
— 文春コミック通信 (@bunshun_comics) March 10, 2023
少年と犬
著者:馳星周
発売日:2023年4月
発行所:文藝春秋
価格:858円(税込)
ISBN:9784167920210
文庫売上ランキング TOP10
※日販調べ
※TOP10のみ前回との順位比較を記載
※★印は集計期間中(2023年4月3日~4月9日)に発売された新刊です
第11位~第20位
第21位~第30位
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