「なんとなく不調」の原因は「慢性上咽頭炎」?
頭痛や肩こり、鼻炎や胃痛、気分がすぐれない……。生活に大きく支障をきたすわけではないものの、「なんとなく不調」に悩まされている方はいませんか。なかには、病院に行っても根本的な原因がよくわからなかったと落胆する声も。
しかし近年、「慢性上咽頭炎」という症状が、さまざまな不調の原因になっていることが指摘されています。ピンポイントな部位の炎症が、なぜ心身の不調につながるのでしょうか。
今回は書籍『つらい不調が続いたら慢性上咽頭炎を治しなさい』より、「慢性上咽頭炎」のメカニズムと、治療の方法について紹介します。
- つらい不調が続いたら慢性上咽頭炎を治しなさい
- 著者:堀田修
- 発売日:2018年02月
- 発行所:あさ出版
- 価格:1,320円(税込)
- ISBNコード:9784866670263
「上咽頭」は体を守るための大切な器官
「上咽頭」はのどではなく、鼻の奥にあります。左右の鼻の穴から吸い込んだ空気が合流して、下の気管に向かって流れが変わる空気の通り道です。
上咽頭は単なる空気の通り道ではなく、「免疫器官」の役割も担っているということが大きなポイント。
健康な人でも、上咽頭表面はリンパ球が戦闘準備をしている状態、つまり「生理的炎症状態」にあり、病原体が侵入するとすぐに攻撃できるようになっています。
この生理的炎症の状態から、細菌やウイルスの感染がきっかけで炎症が強くなった状態が「病的炎症」であり、その典型が「風邪」です。風邪では最初に「急性上咽頭炎」が起き、その結果、のどの痛みや痰などの自覚症状につながるのです。
慢性上咽頭炎がさまざまな不調を招くのはなぜ?
急性上咽頭炎は、免疫力が高ければすぐに治る症状。ところが、寝不足が続いている、疲れている、ストレスがあるといった「免疫力が下がっている状態」では、なかなか治りません。
急性上咽頭炎がすぐに治らないと、病的炎症により活性化されたリンパ球などの細胞が生産した炎症物質が、血流に乗って全身を巡り、遠くはなれた器官にも影響を及ぼします。
また上咽頭は神経線維が豊富であることも大きな特徴。炎症が慢性化すると「自律神経系」にも影響を与え、自律神経の調節障害を引き起こします。(詳細は本書p.121~「慢性上咽頭炎は万病のもと」をご確認ください)
こうした理由から「慢性上咽頭炎」が、関係のない部位の不調や倦怠感、さらには不眠症などの精神的な症状まで、さまざまな不調につながるといわれているのです。
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