小型現代語辞書のさきがけとして生まれ、今年、刊行80周年を迎える『明解国語辞典』。
これを記念して今年2月からは謝恩キャンペーンが実施されていますが、記念企画第3弾として、『三省堂国語辞典から 消えたことば辞典』が4月3日(月)に発売されました。
著者:見坊行徳、三省堂編修所
発売日:2023年4月
発行所:三省堂
価格:2,090円(税込)
ISBN:9784385366241
見坊行徳(けんぼう ゆきのり)
辞書マニア、校閲者。1985年神奈川県生まれ。早稲田大学国際教養学部卒。在学中に「早稲田大学辞書研究会」を結成し、副幹として『早稲田大辞書』を編纂。YouTube「辞書部屋チャンネル」で辞書の面白さを発信する。イベント「国語辞典ナイト」のレギュラーメンバー。辞書マニアが共同で辞書を保管して集まる「辞書部屋」主宰。『三省堂国語辞典』の初代編集主幹、見坊豪紀の孫。共著に『辞典語辞典』(誠文堂新光社)。
▲『三省堂国語辞典から 消えたことば辞典』の見方
「こんな言葉が載っていた!?」三国(サンコク)の80年を削除語でたどる異色の辞典
前身となる1943年発刊の『明解国語辞典』以降、2022年刊『三省堂国語辞典 第八版』まで、約80年にわたる計9回の改訂で削除された項目から1,000項目を厳選し、当時の紙面をそのまま拡大して五十音順に配列されたのが本書です。
「オート三輪(車)」「キーパンチャー」「コギャル」「バスガアル」「メーンエベント」など15項目は活字が大きくなっており、時代の背景や関連語の盛衰も記されています。
馴染みのない言葉には、描き下ろしの挿絵50点が掲載されており、その言葉をなつかしく思う人も初めて触れる人も、時代の移り変わりによって使われなくなった言葉、かつては大切にされていた言葉を発掘することのできる、驚きとなつかしさに満ちた異色の辞典となっています。
▲コギャルなどの15項目は、イラストも用いて時代背景とともに解説
収録項目の例
明解国語辞典改訂版【1952(昭和27)年】削除:國民學校/召集令狀/無聲映畫/ルナパアク……
三省堂国語辞典初版【1960(昭和35)年】削除:家族合わせ/三S時代/のんとお/バスガアル……
三省堂国語辞典第二版【1974(昭和49)年】削除:海ほおずき/エアシュート/省線/DDT/ミルクホール……
三省堂国語辞典第三版【1982(昭和57)年】削除:どか貧/熱蔵庫/すがすが/BG/フルファッション……
三省堂国語辞典第四版【1992(平成4)年】削除:オート三輪/ソノシート/メーンエベント/ラテカセ……
三省堂国語辞典第五版【2001(平成13)年】削除:赤電話/聖徳太子/炭住/ちょうだいな/割興……
三省堂国語辞典第六版【2008(平成20)年】削除:仮名タイプ/還元乳/頑張りスト/ながら族/労戦……
三省堂国語辞典第七版【2014(平成26)年】削除:iモード/だら幹/縦飯/根明/ヘルスセンター……
三省堂国語辞典第八版【2022(令和4)年】削除:MD/企業戦士/コギャル/トラバーユ/てく……
大好評のLINEスタンプ第2弾がリリース
記念企画第2弾として、前回話題となった辞書LINEスタンプの第2弾が、本書の出版を記念して発売されました。
シンプルなメッセージ型の吹き出しデザインはそのままに、日常的によく使われる表現には豆知識を掲載し、ことばの持つさまざまな側面に触れられます。
今回は「消えたことば」から、現代にも通ずるであろう40語が抜粋されています。
『三省堂国語辞典から 消えたことば辞典』とあわせて、スマートフォンでも言葉のタイムスリップを味わってみてはいかがでしょうか。
▲LINEスタンプは、シンプルなメッセージ型の、トーク画面から浮き過ぎない使いやすいデザイン