2015年に『サラバ!』で直木賞を受賞し、今年4月に自身初のノンフィクション『くもをさがす』を発表した西加奈子さん。『くもをさがす』は、2021年のコロナ禍の最中に滞在先のカナダで乳がんを宣告された西さんが、発覚から治療を終えるまでの約8か月間を綴り、さまざまなメディアで取り上げられたこともあり累計発行部数は28万部を突破しました。
そんな西さんの5年ぶりとなる最新短編小説集『わたしに会いたい』が11月2日(木)に発売されます。
- わたしに会いたい
- 著者:西加奈子
- 発売日:2023年11月
- 発行所:集英社
- 価格:1,540円(税込)
- ISBNコード:9784087718492
『わたしに会いたい』には、コロナ禍以前の2019年より、自身の乳がん発覚から治療を行った2022年にかけて発表された7編と書き下ろし1編を含む、全8編が収録されています。「誰かの価値観を押し付けられることが多いこの国で、自分のヒーローは自分しかいない。フィクションだからこそ描ける、『自分を生きたい』」という力強いメッセージが込められています。
内容紹介
『くもをさがす』の⻄加奈⼦が贈る、8つのラブレター。
この本を読んだあと、あなたは、きっと、⾃分の体を愛おしいと思う。
「わたし」の体と⽣きづらさを⾒つめる珠⽟の短編⼩説集。わたしを⽣きるための⾔葉。
#Imissme
――わたしに会いたい。(集英社公式サイト『わたしに会いたい』より)
収録作品
・「わたしに会いたい」――ある日、ドッペルゲンガーの「わたし」がわたしに会いに来る。
・「あなたの中から」――女であることにこだわる「あなた」に、私が語りかける。
・「VIO」――年齢を重ねることを恐れる24歳の私は、陰毛脱毛を決意する。
・「あらわ」――グラビアアイドルの露(あらわ)は、乳がんのためGカップの乳房を全摘出する。
・「掌」――深夜のビル清掃のアルバイトをするアズサが手に入れた不思議な能力とは。
・「Crazy In Love」――乳がんの摘出手術を受けることになった一戸ふみえと看護師との束の間のやり取り。
・「ママと戦う」――フェミニズムに目覚めたママと一人娘のモモは、戦うことを誓う。
・「チェンジ」(書き下ろし)――デリヘルで働く私は、客から「チェンジ。」を告げられる。
発売に先駆け、『わたしに会いたい』特設サイトにて表題作の「わたしに会いたい」が全文無料公開されているほか、各短編小説の紹介動画が毎週金曜日に1編ずつ公開されています。
西加奈子さんの直筆メッセージ
西加奈子さんプロフィール
撮影:中川真人(CUBISM)
1977年イラン・テヘラン⽣まれ。エジプト・カイロ、⼤阪府で育つ。 2004年に『あおい』でデビュー。 2007年『通天閣』で織⽥作之助賞、 2013年『ふくわらい』で河合隼雄物語賞、2015年に『サラバ!』で直⽊賞を受賞。著書に『さくら』『円卓』『漁港の⾁⼦ちゃん』『ふる』『まく⼦』『i』『おまじない』など多数。本年4月に刊行の乳がん発覚から治療を終えるまでの約8か月間を克明に描いたノンフィクション作品『くもをさがす』が話題。