- 自分という壁 自分の心に振り回されない29の方法
- 著者:大愚元勝
- 発売日:2023年04月
- 発行所:アスコム
- 価格:1,540円(税込)
- ISBNコード:9784776212263
『自分という壁 自分の心に振り回されない29の方法』の要点
1.仏教のテーマは「心」である。人間は欲望を満たすことで幸せになろうとするが、それは苦しみを生む。苦しみの原因を外に求めず、自分の内側(心)に目を向け、思いを整えていく必要がある。
2.煩悩はネガティブな感情をもたらし、「貪(とん)」「瞋(じん)」「痴(ち)」がそれを増進する。この3つの要素は、人間の肉体と精神、さらに人生を台無しにする「三毒」だ。
3.ネガティブな感情には、本能的で、生存に関わる捨てられないものと、持っていても意味のないものがある。
『自分という壁 自分の心に振り回されない29の方法』レビュー
「仏教のテーマは『心』だ。仏教は、神様ありきではなく、自分ありきで成立するものであり、そこがほかの宗教とは大きく異なる」。仏教寺院の住職である著者は、そう説いている。仏様をただ信じるのではなく、「自分の心と向き合い、その動きを見つめて感情の移ろいを分析していくことで、悩みや苦しみを手放し、安定した、おだやかな心を養っていく」ことを目指し、本書は書かれた。
ブッダは「苦しみの原因を外に求めている限り、それが消えることはなく、幸せになることもできない」と発見したそうだ。悩みや不安は自分で作り出したものなのに、それによって夜なかなか寝付けなかったり、無性に悲しくなったりするのだから、とても怖い。そんなものは一刻も早く手放したいものだろう。しかし、考え方を変えてみよう。すべての悩みが自分の内側から生じているのであれば、自らいかようにもできるはずだ。
一瞬でパッと苦しみを手放すことはできない。負の感情であっても、プラスに転化できるものや、本能的なもので手放せないものもある。また、不要なはずの負の感情を持ってしまう、その心のメカニズムを知らずして、ただ闇雲に手放そうとしても、うまくいくはずがない。
そうしたことについて、本書はブッダの教えを交えてわかりやすく解説する。人の心について綴られており、信仰心などはいったん脇に置いて、どうか気軽に手に取ってみてほしい。重たい心を解き放ち、おだやかな心を手に入れる、その手助けをしてくれる優しく慈悲深い一冊だ。
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