- 今日はこのぐらいにして休みます
- 著者:ソン・ヒムチャン 黒河星子
- 発売日:2023年05月
- 発行所:飛鳥新社
- 価格:1,320円(税込)
- ISBNコード:9784864109536
『今日はこのぐらいにして休みます』の要点
1.人間関係は思いどおりにいかない一方で、自分の思いどおりにも築いていける。自分を嫌う人と無理に仲よくしようとせず、相性が合う人と深い関係を築けばいい。
2.人の脳は否定的な要素に反応するようにできているため、意識的によい思考をする必要がある。
3.恋人に執着するのは、相手に過剰な期待と幻想を抱くからだ。自分も相手も未熟な人間であることを忘れてはならない。
4.ときには休みながら、疲れた心を癒す必要がある。「すみませんが、今日はこのぐらいにして休みます」という言葉を、誰もが自然に言える社会になるといい。
『今日はこのぐらいにして休みます』レビュー
私たちは、子どもの頃から競争の中に置かれている。受験から始まり学校の成績、就職活動、会社での昇進争い、さらには独立・起業……。どの場面においてもライバルと競争し「頑張ってなにかを成し遂げないといけない」という暗示にかけられている。そんな厳しい現代社会に生きる人々に「休息」の必要性を説き、心が軽くなるヒントを与えてくれるのが本書である。
本書の著者であるソン・ヒムチャン氏は、韓国人の母と日本人の父をもつ気鋭の若手作家だ。12歳で母とともに韓国に移り住むも、気性の激しい母との関係に長く苦しまされた。その経験から紡ぎ出される言葉は多くの人の共感を呼び、本書は17万部を突破するベストセラーとなった。本書には、心を癒す82のエッセイが束ねられている。
責任や義務から離れて休むことに対して、居心地の悪さや罪悪感を抱く人も少なくない。しかし、「よく休むことはよく生きること」と言われるように、誰にとっても休息は必要だ。
そしてよく休むためには、過去に受けた心の傷を癒し、頭の中を整理することが不可欠だ。著者は「問題のほとんどは他人とのかかわり方にある」とし、家族や恋人、友人といった「他人」とのかかわり方における注意点や、自分自身との向き合い方などを紹介する。
エッセイのひとつひとつは短く、それぞれに込められたメッセージは非常に分かりやすい。疲れた現代人を癒すヒントがあふれる本書は、読む人の心の助けとなるだろう。
『今日はこのぐらいにして休みます』が気になる方におすすめ
- 自分にかけたい言葉
- 著者:チョンスンファン 小笠原藤子
- 発売日:2020年04月
- 発行所:講談社
- 価格:1,320円(税込)
- ISBNコード:9784065192474