- 最後はなぜかうまくいくイタリア人
- 著者:宮嶋勲
- 発売日:2018年01月
- 発行所:日経BPM(日本経済新聞出版本部)
- 価格:825円(税込)
- ISBNコード:9784532198480
『最後はなぜかうまくいくイタリア人』の要点
1.著者は初めてイタリア人と仕事をしたときに、3つのことを学んだ。1つ目は、イタリアでは不測の事態がしょっちゅう起こるため、慌てる必要はないこと。2つ目は、不測の事態が起こったときは、イライラするより、解決策を見出すために全力を尽くすほうがよほど有意義だということ。そして3つ目は、どんな事態が起こっても、イタリア人は最後に必ずなんとかしてくれるということだ。
2.イタリアでは、「仕事の時間」と「私の時間」が幸せに溶け合っている。
3.イタリア人は、一つのことに集中するより、寄り道をしがちな傾向にある。イタリア人の発想が素晴らしいのは、この特性によるものかもしれない。
『最後はなぜかうまくいくイタリア人』レビュー
あなたは「イタリア人」というと、どんな人びとを思い浮かべるだろうか? おちゃめで、食べるのが大好きで、情熱的に愛をささやき、時間にルーズだがなんだか憎めない……きっと多くの人が思い浮かべる「イタリア人」は、このような姿であるはずだ。本書を読むと、そのイメージが決して間違っていないことがわかる。
本書の著者、宮嶋勲氏は、83年から89年までローマの新聞社に勤務した人物だ。現在はイタリアと日本でワインと食について執筆活動を行っており、年間15回ほどイタリアを訪れているという。そんな著者の長年の経験をもとに、イタリア人の幸せな生き方や働き方に注目したのが本書である。
もちろん、イタリア人と一口に言っても、いろいろな人がいる。堅物な人や時間に正確な人もいるだろう。そう頭でわかっていても、そして、イタリア人と接した経験がほとんどなくても、不思議と「あるある」「もう、イタリア人ったら!」と言いながら楽しく読めて、心がほんわかと和むのだ。
典型的な「イタリア人」像と典型的な「日本人」像は、見事に正反対だ。どちらの生き方や働き方が正解というものでもない。だが、本書でイタリア人のあり方を知ると、少し肩の力が抜けて、楽しい気持ちになってくる。また、著者の姿勢から、自分とは異なる価値観を持った人と接する際のヒントを得ることもできるだろう。ちょっと疲れたときにぜひ手に取ってほしい、楽しい一冊である。
『最後はなぜかうまくいくイタリア人』が気になる方におすすめ
- いいかげんなイタリア生活
- 著者:ワダシノブ
- 発売日:2022年08月
- 発行所:ワニブックス
- 価格:1,320円(税込)
- ISBNコード:9784847072161