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作家「小川哲」が主人公の『君が手にするはずだった黄金について』が10/18に発売!朝井リョウさん、宇垣美里さんからコメントも

君が手にするはずだった黄金について

2015年に『ユートロニカのこちら側』でデビュー以来、『ゲームの王国』(山本周五郎賞、日本SF大賞)、『地図と拳』(直木賞)、『君のクイズ』(日本推理作家協会賞長編および連作短編集部門)と、刊行した作品が次々と文学賞を受賞している小川哲さん。SF・歴史・ミステリとさまざまなジャンルで高い評価を受けている、いま注目を集める作家の一人です。

そんな小川哲さんの最新作『君が手にするはずだった黄金について』が、10月18日(水)に新潮社より刊行されます。

君が手にするはずだった黄金について

『君が手にするはずだった黄金について』
著者:小川哲
発売日:2023年10月18日
発行所:新潮社
価格:1,760円(税込)
ISBNコード:9784103553113

認められたくて、必死だったあいつを、お前は笑えるの? 青山の占い師、80億円を動かすトレーダー、ロレックス・デイトナを巻く漫画家……。著者自身を彷彿とさせる「僕」が、怪しげな人物たちと遭遇する連作短篇集。彼らはどこまで嘘をついているのか? いま注目を集める直木賞作家が、成功と承認を渇望する人々の虚実を描く話題作!

(新潮社『君が手にするはずだった黄金について』特設サイトより)

 

収録作は、すべて「僕=小川哲」が主人公

本作は、一人称による小説家の物語が収められた連作短編集です。冒頭に収められた「プロローグ」では、大学院生の「僕」が、出版社を受けようと就職活動を始めます。恋人の美梨と会話を重ね、「自分は一体なにをやりたいのだろう」「そもそもなぜ自分は本が好きなんだろう」と自問するようになった「僕」は、やがて自分自身を主人公にした小説を書きはじめます。

そんな、著者自身を彷彿とさせる「僕」を物語の主人公とした理由について、小川さんは「『承認欲求』とは何なのかを知りたかった」と語ります。

僕は小説を書くとき、どんな主人公やテーマであっても、常に「小説を書くということはどういうことなのか」を考えながら書いています。今作は「小説家を主人公に据えて、小説とは何か」を書くことにしたので、それならばいっそ、自分に似たような小説家ではなくて、小川哲を主人公に据えればいいと思ったのです。

 

「人に認められたい」、「何者かになりたい」、という欲求は、誰しも自然に持ち合わせているものだと思います。でもその手段として、SNSやネットで誇示することが容易になったぶん、「何者かになった」ように見せることが簡単になり、本当の意味で「何者かになる」ことは難しくなったのかもしれません。小説家にとっては面白い時代だと思います。でも僕自身は、他人の評価よりも、僕という人間が僕を評価できるか、が大切なので、「承認欲求」というものが、じつはよくわからない。わからないからこそ興味を惹かれ、小説で描くことで、他人が持っている感覚を知りたいと思うのです。

 

朝井リョウさん、宇垣美里さん、麻布競馬場さんから熱い推薦コメントが

「僕」が兼業小説家として仕事をする傍ら出会うのは、オーラが見えるという青山の占い師やこれ見よがしにロレックスのデイトナを巻く漫画家、80億円を運用し、羽振りの良い生活をインスタにアップする高校の同窓生といった人々。自分が何かの能力に秀でていることを証明するため、無理をしている彼らですが、そんな彼らに接触する本作の主人公である「僕」は、あくまでニュートラルにその声に耳を傾けようとします。

成功と承認を渇望する人々の虚と実を描く本作が見せる、「承認欲求のなれの果て」。『君が手にするはずだった黄金について』には、朝井リョウさん、宇垣美里さん、麻布競馬場さんから熱いコメントが寄せられています。

「自分から最も遠い存在、禁忌のように感じていた相手とのわずかな交点。そこを始まりとして拡がる宇宙。大好物の小説です。」――朝井リョウ

「読めば読むほど足場がぐらつく。ところでわたしは何者ですか?」――宇垣美里

「クセの強すぎる、しかしどうしようもなく愛らしい人たちが会話と思考で激しく殴り合う。 脳と感情が揺らされっぱなしで知的興奮が一秒も止まらない。」――麻布競馬場

 

収録作「プロローグ」全編試し読みがスタート

冒頭に収録された一篇「プロローグ」を全文掲載した無料お試し特別版が、各電子書籍書店にて配信されています。『君が手にするはずだった黄金について』特設サイト(新潮社)でも全文を読むことができます。

「プロローグ」あらすじ

大学院生の「僕」は就職活動のエントリーシートで手が止まった。「あなたの人生を円グラフで表現してください」 僕はなんのために就職するのだろうか? そこに何を書くべきなのか、さっぱりわからなくなった僕に、恋人の美梨は言う。「就職活動はフィクションです。真実を書こうとする必要はありません」

 

〉【新潮社公式サイト】「プロローグ」無料公開・試し読みはこちら

 


小川哲(おがわ・さとし)プロフィール

1986年、千葉県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程退学。2015年、「ユートロニカのこちら側」で第3回ハヤカワSFコンテスト大賞を受賞しデビュー。『ゲームの王国』で第31回山本周五郎賞、第38回日本SF大賞を受賞。2023年、『地図と拳』で第168回直木三十五賞を受賞。『君のクイズ』で第76回日本推理作家協会賞長編および連作短編集部門を受賞。


 

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