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別班は本当に存在する!?「VIVANT」をもっと深く楽しめる本3冊!

連続ドラマの枠を超えた壮大なスケールで描かれ、物語が進むにつれて緻密なストーリー展開を見せるTVドラマ「VIVANT」(TBS系)。

主演の堺雅人さんをはじめ、阿部寛さん、二階堂ふみさん、二宮和也さん、松坂桃李さん、役所広司さんなど、日本を代表する俳優陣が出演していることでも話題となっている作品で、放送日翌日にはネット上で「考察合戦」が展開されるなど、視聴者も一体となってブームを巻き起こしています。

現在、第8話まで放送されていて、物語は終盤に差し掛かっているものの、まだ物語の全容は明かされていません。まさにキャッチコピーの「敵か味方か、味方か敵か」の言葉通りの展開となっています。

中でも、物語のキーとなる「別班」の存在は、本ドラマを通して初めて知ったという人が多いのではないでしょうか。陸上自衛隊の秘密情報部隊「陸上幕僚監部運用支援・情報部別班」の通称で、首相や防衛相などの政府も知らないところで諜報活動を行っていると言われており、作中では堺雅人さん演じる乃木憂助が別班のメンバーであることが明かされています。

そんな「別班」の存在を深く知りたいという方も、「VIVANT」をさらに楽しみながら観たいという方にもお勧めできる本を紹介します。



 

『自衛隊の闇組織 秘密情報部隊「別班」の正体』(著:石井暁/講談社)

自衛隊の闇組織
著者:石井暁
発売日:2018年10月
発行所:講談社
価格:880円(税込)
ISBNコード:9784065135884

一般的に認知度が低く謎に包まれた「別班」について、関係者への取材を交えながら実態に迫った一冊です。取材した中には、陸上自衛隊トップである陸上幕僚長を経験した人もおり、緊迫したインタビューの様子も収録されています。

著者は、共同通信社の編集局編集委員(当時)の石井暁さんで、安全保障問題を中心に、自衛隊のルワンダ難民救援活動、元防衛事務次官汚職事件、北朝鮮ミサイル発射・核実験など、数多くの国際問題について取材をしてきた人物です。

2018年に発売された書籍ですが、「VIVANT」で別班の存在が明かされた直後から本書の注目度が高まり、8月以降は重版が続いています。

帝国陸軍から自衛隊に引き継がれた“負の遺伝子”とは? 日本が保持する「戦力」の最大タブーとは?――身分を偽装した自衛官が国内外でスパイ活動を行う、陸上自衛隊の非公然秘密情報部隊「別班」に迫った日本で唯一の書! 別班と三島由紀夫の接点、別班と米軍の関係、海外の展開先、偽装工作の手法、別班員になるための試験問題……災害派遣に象徴される自衛隊の“陽”とは正反対の“陰”の実体!

(講談社BOOK倶楽部『自衛隊の闇組織 秘密情報部隊「別班」の正体』より)

 

 

『陸上自衛隊特務諜報機関 別班の犬』(著:久慈進之介/講談社)

陸上自衛隊特務諜報機関 別班の犬 1
著者:久慈進之介
発売日:2022年06月
発行所:講談社
価格:715円(税込)
ISBNコード:9784065281901

2022年に『イブニング』(講談社)で連載が開始され、同誌が休刊後には講談社が運営する漫画アプリ「コミックDAYS」に移籍し、現在単行本は第3巻まで発売されています。

陸上自衛隊の精鋭部隊・特殊作戦群に所属する優秀な女性隊員が、とある男に「別班」としてスカウトされ、訓練ばかりの日々に飽きた彼女は別班入りを受け入れます。本名を捨てて「ナナ」という名前を与えられた彼女は、国家防衛戦の最前線へと身を投じることになります。

ナナが急に呼び出された面接では「控室にあった新聞は?」「ここのトイレのタイルの色は?」「廊下ですれ違った男の眼鏡のフレームの色は?」など、日常における洞察力を問われるシーンがあり、まさに「VIVANT」の第8話で描かれた、若き日の乃木が別班入りするシーンを彷彿とさせる場面もあります。

また、本作の参考文献には上記の『自衛隊の闇組織 秘密情報部隊「別班」の正体』もクレジットされており、あわせて読むとより深く楽しめる作品となっています。

日本には、闇のスパイ機関が存在する――…!!
陸上自衛隊の精鋭部隊・特殊作戦群に、訓練ばかりの日々に飽きた一人の女性隊員がいた。ある日上官の命を受け、とある駐屯地に向かった彼女は、謎の男から『別班』という部隊にスカウトされる。与えられた名前は“ナナ”。そして彼女は、数多の策謀と暴力に彩られた国家防衛戦の最前線へと身を投じることになったのだった…。
法と名を捨てた者たちよ、“スパイ天国”日本を守れ。予測不能のハイスピードスパイアクション、開幕!!

(講談社コミックプラス『陸上自衛隊特務諜報機関 別班の犬(1)』より)

 

『日曜劇場 VIVANT(上)』(原作:福澤克雄、ノベライズ:蒔田陽平/扶桑社)

日曜劇場 VIVANT 上
著者:福澤克雄 蒔田陽平
発売日:2023年09月
発行所:扶桑社
価格:1,100円(税込)
ISBNコード:9784594095673

最後に紹介するのは、8月30日(水)に発売されたノベライズ『日曜劇場 VIVANT(上)』。ノベライズを手掛けたのは、これまでにTVドラマ「イチケイのカラス」や映画「サマーウォーズ」など、数多くの映像作品をノベライズしてきた蒔田陽平さんです。

張り巡らされた伏線や謎解き要素が多いドラマのノベライズであるため、ミステリー小説としても楽しめます。

上巻にはドラマ第1話から第5話までのストーリーが収録されていて、下巻は9月末頃の発売予定となっています。

「いいか。どんな手を使ってもいい。一か月以内に九千万ドルを取り返せ」
大手商社勤めの乃木憂助は、ある日勃発した誤送金事件解決のため、中央アジアの小国、バルカ共和国に向かう。
己の全てを掛けて大金を追ううちに見えてきたのは、世界中で暗躍する秘密組織の影だった。
「お前は世界中を巻き込む大きな渦に入り込んだ」
遂に、冒険が始まる──。

(扶桑社公式サイト『日曜劇場 VIVANT(上)』より)

 

以上、「VIVANT」をより深く楽しむための3冊をご紹介しました。クライマックスに向けて盛り上がるドラマの“復習”にもぴったりですので、気になる方はぜひ手に取ってみてください。