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エルフなのに肉が食べたい!社畜OLから転生した大魔導師の腹ペコ異世界グルメ旅『ぐうたらエルフののんびり異世界紀行』

焼肉が恋しくなる異世界転生?

肉料理は好きですか?

私はというと、「今日は焼肉が食べたい!」と無性に思う日がありますし、お惣菜コーナーの唐揚げを素通りできないこともしばしば。

美味しいものがあふれる日本で暮らしているからこそ、もし異世界転生なんてしてしまったら、焼肉もビールも食べられない生活に耐えられるだろうか……。

そんなことを思いのほか真面目に考えるきっかけになったのが、2026年6月9日に第1巻が発売となった『ぐうたらエルフののんびり異世界紀行』です。

 

エルフなのに、お肉が食べたい!

主人公は、大魔導師としてドラゴンと激闘を繰り広げたエルフ・ララート。

命を削るほどの大魔法を使った代償で身体が小さくなり、同時に思い出したのが、前世の記憶でした。

前世は、仕事に追われる26歳の社畜OL。そして蘇ったのは、働いたあとの冷えたビールと焼肉の幸福感です。
「あぁ……焼肉が食べたい。」

ところが、エルフの里では肉食は禁忌。そもそも肉を食べる文化すらありません。

……ですが、欲望とは恐ろしいもの。自ら倒したドラゴンを、思わず一口。

その結果、ララートは里を追放され、弟子のイルーシャともふもふの精霊獣とともに旅へ出ることになります。

普通なら悲壮感たっぷりの展開ですが、前世の記憶を取り戻したララートにとってはむしろ自由そのもの。「旅先だから」という最高の言い訳を手に入れ、美味しい肉を求める異世界グルメ旅が始まるのです。

 

異世界グルメなのに、ちゃんと飯テロ

冒険者登録を済ませたララートたちは、モンスター討伐へ。もちろん目的は討伐だけではありません。「これ、美味しそう」と完全に食べる前提です。

登場するのは、私たちが見たことも食べたこともないモンスター料理ばかり。それなのに不思議とお腹が空いてきます。理由は、ララートの食レポが抜群だから。

「肉汁がどう」「歯ごたえがどう」といった細かな描写はもちろん、「これこれ、この味!」というララートの喜びがページいっぱいにあふれているのです。その幸福感が伝染するからこそ、読者も自然と「あぁ、お肉食べたい……」という気持ちになってしまいます。

異世界グルメなのに、しっかり飯テロ。
この作品の料理描写は、その一言に尽きます。

 

こんな上司と一緒に飲みたい

私が一番好きになったのは、ララートという主人公でした。

見た目は幼い少女。
けれど魔導師としては最高クラスの実力を持ち、何百年も生きてきたエルフであり、さらに前世では社畜OLとして働いていた人生経験もあります。
だからこそ、どこか達観している。

第1巻では、10年以上ギルドに所属しながら大きなトラウマを抱えている冒険者・ボーズと共に討伐へ向かいます。

ララートは彼を助けるのではありません。背中を押し、自分の力で乗り越えられるよう寄り添います。経験があるからこそ、相手が一歩踏み出せる距離感を知っている。その姿を見ていると、「ああ、この人は本当に大人なんだな」と感じるのです。

ぐうたらで、お肉には目がなくて、お酒も大好き。
それでも困っている人を放っておけない。

そんなララートを見ていると、異世界の大魔導師というより、どこか頼れる会社の先輩や上司のような親しみを覚えます。こんな上司がいたら、仕事帰りに「今日は肉でも食べに行くか」と誘ってほしい。そして、美味しいお肉を食べながら人生相談をしてみたい。

異世界グルメ、異世界冒険、スローライフ。
さまざまな魅力が詰まった作品ですが、私にとって一番の魅力は間違いなくララートでした。

彼女が次はどんなモンスターを食し、どんな人の背中を押してくれるのか。
第2巻も、お腹を空かせながら待ちたいと思います!

(レビュアー:Micha)

ぐうたらエルフののんびり異世界紀行 1
著者:猫草わた 合歓鴻図 kimimaro nyanya
発売日:2026年06月
発行所:講談社
価格:792円(税込)
ISBNコード:9784065438442

 

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※本記事は、講談社|今日のおすすめ(コミック)に2026年7月15日に掲載されたものです。
※この記事の内容は掲載当時のものです。