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「男は外、女は家」という考えは、いつ、どのように作られたのか? 『絶望しかけた女子のための世界史』【総合3.7】

絶望しかけた女子のための世界史


絶望しかけた女子のための世界史
著者:ティチュー・ルコック 鳥取絹子
発売日:2026年03月
発行所:大和書房
価格:2,530円(税込)
ISBNコード:9784479394730

 

『絶望しかけた女子のための世界史』の要点

1.女性の歴史は、支配と解放の繰り返しである。しかし女性たちはどんな時代にも行動し、語り、創造し、そして闘ってきた。

2.新石器時代に入ると定住化と農業・牧畜がはじまり、女性は毎年子どもを産むようになった。この変化により、社会に暴力と支配が生まれる。

3.中世ヨーロッパでは女性にも職業的自由があり、さまざまな場で活躍していた。ルネサンス以降はそれが狭められ、社会的・職業的自律性を失っていった。

4.19世紀には「領域の分離」理論が登場し、「男は外、女は家」という価値観が加速した。

 

『絶望しかけた女子のための世界史』レビュー

わたしたちが学校で教えられる「女性の歴史」は、時代が進むにつれて女性が少しずつ自由や権利を獲得していく――そんなイメージではないだろうか。それは部分的には正しいが、著者は「女性の歴史は、そのような“直線的なグラフ”にはならない」と語る。

女性の歴史は、社会の仕組みやイデオロギー、さまざまな思い込みに翻弄されながら、うねうねと上下する曲線のような道をたどってきた。

要約者にとって発見だったのは、一般的な歴史観と、女性の視点から見たそれとが必ずしも一致しないという点だ。たとえば「暗黒の時代」と呼ばれるヨーロッパ中世、女性たちには職業選択の自由があり、さまざまな場で活躍していた。しかし、「夜明け」とされるルネサンス時代になると、それらは徐々に失われ、女性たちは家に閉じ込められていく。活版印刷機という大発明が、結果として「魔女狩り」を広める一因になったというのも皮肉な話である。

しかし、どのような時代にあっても、女性たちは声を上げ、行動し、表現することを諦めなかった。著者は、歴史の授業では教えられない、勇敢で魅力的な女性たちの姿を紹介していく。

著者はフランス人女性ジャーナリストで、本書の内容の中心となるのはヨーロッパ、とりわけフランスだ。歴史教育は国によって異なると言われるが、フランスの教育観の一端を垣間見られるのも興味深い。

本書は、女性の歴史をめぐる新たな視点を与えてくれる一冊だ。読み進めるほどに、目から鱗がぼろぼろと落ちていくだろう。

 

『絶望しかけた女子のための世界史』が気になる方におすすめ

サピエンス全史 上
著者:ユヴァル・ノア・ハラリ 柴田裕之
発売日:2023年11月
発行所:河出書房新社
価格:1,089円(税込)
ISBNコード:9784309467887