各出版社を代表する雑誌の編集長によるリレー連載「編集長雑記」。
今回エッセイをお寄せいただいたのは、毎号、かわいいキャラクターと一緒に遊べる楽しいゲームと読み物で子どもたちの心を掴んでいる、「キャラぱふぇ」編集長の布川直人さんです。
雑誌の企画立ち上げ時から同誌に長年携わっている布川さんに、掲載キャラクターの起用方法や情報収集、年末で100号を迎えるにあたっての現在の想いについても、綴っていただきました。
発売日：2023年8月1日
発行所：KADOKAWA
価格：1,080円（税込）
JANコード：4910129110930
最新の流行りを追いかけ続けて100号
かわいいキャラクターがたくさん詰まったパフェのような雑誌だから「キャラぱふぇ」。本誌の企画立ち上げ時の会議で誌名を決めた時のことは、今でもよく覚えています。
過去に小学生の女の子層をメインターゲットに据えた刊行物を手掛けた経験はなく、本当にすべてが手探りからのスタートでした。当然かわいいキャラクターに知見があるわけもなく、まず最初に頼ったのは読者からのアンケートです。雑誌に載せて欲しいと送られてきたキャラクターについて、片っ端から掲載をご相談。今となってはお恥ずかしい話ですが、まったく知らないキャラクターも数多く、一つ一つ誌面掲載を積み重ねては今一度アンケート結果を精査、さらにまた別のキャラクターの掲載を検討していくという流れでした。
そうやって掲載コンテンツの幅を広げていくうちに、各種キャラクター版権元様やゲームメーカー様、おもちゃメーカー様など、キャラクタービジネスに関するさまざまな繋がりを構築していくことができました。最新情報や今後の展開などについて多面的な情報に触れることが、キャラクターの可能性や掲載を検討するうえで、とても参考になっています。
どのジャンルでも、人気が高まってブレイクするキャラクターを常に探し続けているのですが、ネクストコンテンツや最新の流行りについて、出版業界以外の方と情報交換することは、編集部的には欠かせない判断材料の一つです。
一方で、SNSなどから生まれるキャラクターも多く、流行りの変化スピードも上がっています。そんな可能性は秘めているものの、現時点での判断が難しいキャラクターについては、まずは掲載して読者に見てもらおうという、原点回帰な動きもよく発生します。
「キャラぱふぇ」には、キャラクターが好きな読者が多数いてくれるわけですから、やはりその意見は貴重です。過去からの積み重ねで人気コンテンツが多数掲載されているベースがあることもあり、新掲載のキャラクターに読者からの支持が集まると、そこからどんどんと伸びていくコンテンツを何度も見てきました。
……と、ここまで色々と偉そうに書いていますが、すべてのキャラクターの推移や流行りを予見するのは、不可能に限りなく近い。これは盛り上がるだろうと考えたコンテンツが鳴かず飛ばずだったり、まったくマークしていなかったコンテンツが一気にブレイクすることなどは日常茶飯事です。
だからこそ、常に情報をアップデートして、世の中の情勢なども鑑みながら、最新の流行りを追いかけ続けるのは、今も昔も変わらない考え方の基本です。幸いにもその姿勢を継続できたからか、おかげさまで「キャラぱふぇ」は、2023年の年末号でVol.100を迎えることができそうです。
これからもさまざまな方面にアンテナを張り巡らせて、どんどん人気キャラクターを見つけていきたいと考えています。新しい出会いや発見、キャラクターが大きく成長していくのを見るのは、本当に楽しみでなりません。編集部としてはそれぞれのキャラクターの成長に、雑誌や書籍の側面から一緒になって取り組んでいけたら嬉しい限りです。今後も、愚直に最新の流行りを追いかけながら、雑誌や書籍の制作に勤しんでいければと考えています。
KADOKAWA キャラぱふぇ編集長
布川直人 NUNOKAWA Naoto
1999年入社以来、各種ゲーム雑誌編集部に在籍。「キャラぱふぇ」には企画立ち上げ時から携わる。現在はキャラクター書籍編集部に在籍、雑誌および関連書籍を展開。
