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「2026年本屋大賞」ノミネート作品をご紹介!【Vol.5】9年もの歳月を費やして書き上げた渾身の一作!佐藤正午『熟柿』

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2月6日(金)、本屋大賞実行委員会より、23回目となる「2026年本屋大賞」のノミネート10作品が発表されました。

ほんのひきだしでは、これらノミネート作品の中から注目作品を短期連載形式でご紹介します。第5弾は、直木賞作家・佐藤正午さんが9年もの歳月を費やして書き上げた渾身の一作『熟柿』(KADOKAWA)です。

発売直後から数多くのメディアでインタビューや書評が掲載され、「読み終わった後、しばらく何も考えられなかった」「震えがくるほどのすごい小説であり、2025年を代表する小説だ」など多くの反響を得ています。

出版界での注目度も高く、「本の雑誌が選ぶ2025年度上半期ベスト10」第1位獲得、第20回「中央公論文芸賞」を受賞し、現在9刷まで版を重ねています。

多くの書店店頭では、ノミネート作品を集めたフェアを実施していますので、ぜひ、書店店頭に足を運んで本書を手に取ってみてください。

このたびのノミネートを受けて、文芸WEBマガジン「カドブン」で2章分の試し読みを4月8日(水)23時59分まで特別公開されています。

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【Vol.5】佐藤正午『熟柿

【本書のおすすめポイント】~出版社担当編集者より~

この物語の主人公・かおりは作中で17年という長い時間を過ごします。

わが子に会えずひとりつらい夜を過ごしたことや、悔しさを噛みしめたこともあったでしょう。それでもかおりは息子との再会をひたすら願い続け、ゆっくりと、でもあきらめることなくその日を生きます。

佐藤正午さんから冒頭の原稿を受け取ってから単行本が書店に並ぶまで、約9年の時間が経過しました。

「年に1回」の連載原稿のために、毎年夏になると私たちは佐世保を訪ねては鳩首会議を繰り返しました。思えばそれはこの作品が柿のように熟すために必要な時間だったのかもしれません。

このたび本屋大賞ノミネートというきらびやかな舞台に押し上げていただきましたが、『熟柿』は決して派手な小説ではありません。

だけど、読んだ人の心に消えることのない何かを残してくれる、そんな作品だと思っています。

 
熟柿
書影
著者:佐藤正午
発売日:2025年3月
発行所:KADOKAWA
定価:2,035円(税込)
ISBN:9784041146590

 

【あらすじ】
激しい雨の降る夜、眠る夫を乗せた車で老婆を撥ねたかおりは轢き逃げの罪に問われ、服役中に息子・拓を出産する。出所後息子に会いたいがあまり園児連れ去り事件を起こした彼女は、息子との接見を禁じられ、追われるように西へ西へと各地を流れてゆく。自らの罪を隠して生きる彼女にやがて、過去にまつわるある秘密が明かされる。『鳩の撃退法』(山田風太郎賞受賞)『月の満ち欠け』(直木賞受賞)著者による最新長編小説。

(KADOKAWA公式サイト『熟柿』より)

 

著者紹介:佐藤正午

佐藤正午

プロフィール
佐藤正午(さとう・しょうご)。1955年、長崎県生まれ。1983年『永遠の1/2』ですばる文学賞を受賞しデビュー。2015年『鳩の撃退法』で山田風太郎賞、2017年『月の満ち欠け』で直木賞、2025年『熟柿』で中央公論文芸賞を受賞。他の作品に『Y』『ジャンプ』『5』『アンダーリポート』『身の上話』『ダンスホール』『冬に子供が生まれる』などがある。

【本屋大賞2026短期連載記事はこちら】
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【ノミネート10作品(書名五十音順)】

書    名 著  者 出版社
暁星 湊かなえ 双葉社
ありか 瀬尾まいこ 水鈴社
イン・ザ・メガチャーチ 朝井リョウ 日経BP/日本経済新聞出版
失われた貌 櫻田智也 新潮社
エピクロスの処方箋 夏川草介 水鈴社
殺し屋の営業術 野宮有 講談社
さよならジャバウォック 伊坂幸太郎 双葉社
熟柿 佐藤正午 KADOKAWA
探偵小石は恋しない 森バジル 小学館
PRIZE―プライズ― 村山由佳 文藝春秋

 

本屋大賞

「本屋大賞」は、新刊書の書店(オンライン書店も含む)で働く書店員の投票で決定するものです。過去1年の間、書店員自身が自分で読んで「面白かった」、「お客様にも薦めたい」、「自分の店で売りたい」と思った本を選び投票します。

今回で23回目となる本屋大賞ですが、2025年12月1日(月)~2026年1月4日(日)に一次投票が行われ、全国490書店・698人の書店員が投票しました。その集計の結果、上位10作品を「2026年本屋大賞」ノミネート作品として決定。2月6日(金)~3月1日(日)まで二次投票を受け付け、その投票の結果、大賞作が決定されます。大賞は4月9日(木)に発表されます。