人と本や本屋さんとをつなぐWEBメディア「ほんのひきだし」

人と本や本屋さんとをつなぐWEBメディア「ほんのひきだし」

  1. HOME
  2. 本と人
  3. ほん
  4. 読書で人も会社も成長する!!「本」活用の秘訣を公開『会社は「本」で強くなる』【総合4.0】

読書で人も会社も成長する!!「本」活用の秘訣を公開『会社は「本」で強くなる』【総合4.0】

会社は本で強くなる

会社は「本」で強くなる
著者:宮本恵理子
発売日:2025年10月
発行所:日経BP
価格:1,870円(税込)
ISBNコード:9784296121618

 

『会社は「本」で強くなる』の要点

1.マネーフォワードの急成長を支えているのは、経営陣から社員まで浸透した「読書文化」である。読書を個人の教養にとどめず、「問いを持ち、本を読み、実践し、対話する」ための手段として位置づけ、本を軸とした学びを制度化している。

2.辻庸介グループCEOは組織の成長段階に応じて読む本を選び、経営の意思決定や文化づくりに反映させてきた。

3.マネーフォワードでは、本を用いた公式研修に加え、社員による自主的な読書会も活発に行われ、部署を越えた知の交流が生まれている。

 

『会社は「本」で強くなる』レビュー

創業13年で売上高約404億円、社員数は約2900人、リリースしたサービスの数は60超、連結子会社の数は22社。破竹の勢いで成長を続けているのが、クラウド会計ソフトや家計簿アプリで知られるマネーフォワードだ。

なぜ同社はこのような急成長を続けられるのか――その答えは本書にある。

著者の宮本恵理子氏は、日経ホーム出版社(現・日経BP)で編集経験を積み、独立後はAERA『現代の肖像』やNewsPicks『仕事の哲人』などで人物ドキュメンタリーを数多く手がけてきたノンフィクションライターだ。

そんな宮本氏が見出した、冒頭の問いの答えは「本」。取材を通して明らかになったのは、同社に深く根づく「読書文化」であった。Slack上では社員の「この本、めっちゃよかったです!」という投稿に即座に返信が集まり、経営陣が自ら課題図書を指定する研修もある。現場マネージャー向けプログラムや新入社員のオンボーディングにも本が組み込まれ、部署を越えた自主的な読書会も開かれているという。

読書は個人の教養や楽しみのためだけのものではなく、組織の共通言語を育て、思考力と対話力を底上げする力を持つ――本書はそのことを証明している。「読書文化」という見えない資産を丁寧に掘り下げた一冊として、組織づくりに携わる人や、学び合うチームをつくりたいリーダーに手に取ってほしい。読後には、「会社は『本』で強くなる」というタイトルの意味を実感するだろう。

 

『会社は「本」で強くなる』が気になる方におすすめ

人が集まる企業は何が違うのか
著者:石山恒貴
発売日:2025年09月
発行所:光文社
価格:1,166円(税込)
ISBNコード:9784334107543