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日販の「店頭売上前年比調査(9月期)」が発表されました。
これは当年・前年ともに売上データが取得できている店舗を集計対象としたもの。9月は1,761店のデータをもとに作成されています(8月は1,782店)。
天候不順の影響を受けた8月期。9月期に入ってからも悪い流れは続き、台風の影響を大きく受けて、月前半を中心に苦戦を強いられました。
しかし、消費増税前の駆け込み需要もあって徐々に回復をみせ、着地は96.9%。コミックも、8月期に比べると99.8%と大きく復調しています。
9月に入ると、「増税まであと○日」という“消費増税カウントダウン”もあちこちで見られました。書店店頭における増税前の動向はどうだったのか、9月期の日別売上金額の推移を見てみましょう。
※前年同日との比較ではなく、純粋な売上金額の推移です。
9月期で最も売上金額が低かったのは、関東に台風15号が直撃した9月9日(月)でした。
また、普段も週末(特に土曜)は売上が突出する傾向にあるのですが、9月中旬からは跳ね上がりが大きくなっており、増税前の影響が見られます。さらに最終週にはその変動が顕著になっており、9月最後の3日間は特に高い水準となりました。
なお9月後半だけに絞って売上前年比を見ると、前年比100%を超える実績となっています。
続いて、ジャンル別の調査結果を細かく見ていきます。
雑誌は前年比94.4%。月刊誌はここ2か月連続で前年超えを記録していましたが、今回は足踏み状態となりました。
月刊誌では、日韓断絶の特集を組んだ「文藝春秋」10月号、「すみっコぐらしクレーンゲーム」が付録の「たのしい幼稚園」11月号などが大きく売上を伸ばしました。
週刊誌では、9月10日(火)に創刊された分冊百科「隔週刊 JAL旅客機コレクション」が好調に動いています。
書籍は前年比96.4%。「総記」「専門書」の2ジャンルが前年をクリアしました。
「総記」が好調だった大きな要因は、『大辞林』第四版が発売されたこと(9月5日(木)発売/本体価格9,000円)。専門書についても、本体価格3万円の高額商品『古今亭志ん朝 二朝会CDブック』が9月12日(木)に発売され、売上を牽引しました。
「増税前に購入したほうがいい」という心理がはたらいた結果ともいえるかもしれません。なお専門書は、2019年3月以来、6か月ぶりの前年超えです。
コミックは前年比99.8%。惜しくも前年クリアとはなりませんでしたが、一方で9月末頃から『鬼滅の刃』の勢いがさらに加速しています。
2クールで放送されたTVアニメが9月28日(土)に最終回を迎え、その続きとなる単行本の売上が急伸長。その“続きの内容”というのが、制作決定が発表された劇場版「鬼滅の刃」で描かれる〈無限列車編〉です。このエピソードは、第7巻以降に収録されています。
また9月中旬以降は、『五等分の花嫁』『七つの大罪』などの新刊が売上を牽引しました。これらにより、雑誌扱いコミックのみに絞ると、売上前年比は104.2%となっています。
消費税の増税により、消費全体の落ち込みが懸念されています。しかし、10月には『ONE PIECE』の最新巻をはじめキラーコンテンツの発売が控えており、低迷が続く文庫ジャンルにおいても「十二国記」シリーズという大物の新刊が予定されています。
追い風となる要素も揃っている10月期。書店店頭の盛り上がりに期待しましょう。