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日販の「店頭売上前年比調査(8月期)」が発表されました。
これは当年・前年ともに売上データが取得できている店舗を集計対象としたもの。8月は1,782店のデータをもとに作成されています(7月は1,791店)。
6月、7月と回復基調にありましたが、8月期は残念ながら少し後退し、前年比95.7%という結果になりました。12か月連続の記録を打ち立てたコミックの前年超えも、残念ながらストップ。酷暑、大雨と天候不順が続いたことが、書店店頭に大きな影響を与えています。
しかし、7月期に吹き始めた月刊誌への追い風はまだまだ続いています。雑誌全体での前年クリアはならなかったものの、月刊誌は101.1%と2か月連続での対前年100%超え。
書籍ジャンルも前年比94.5%と苦戦しましたが、そのなかでビジネス書は103.9%と健闘。大きく数字を伸ばし、3か月連続での対前年プラスと相変わらずの勢いを見せています。
続いて、ジャンル別の調査結果を細かく見ていきます。
雑誌は前年比97.2%。月刊誌は2か月連続での前年超えとなりました。
毎月1日発売の雑誌については、今年は9月1日が日曜、8月31日が土曜でいずれも休配日だったため、8月30日(金)に2日分の繰り上げ発売が発生しました。このことから月末の月刊誌の売上が非常に大きくなっています。とはいえ、この繰り上げがなかったとしても、売上ペースとしてはほぼ前年クリア。好調が継続していることは間違いなさそうです。
商品を細かく見ると、芥川賞受賞作「むらさきのスカートの女」が掲載された「文藝春秋」9月号のほか、King&Princeが表紙を飾った「MYOJO」などのアイドル誌が大きく売上を伸ばし、全体の売上を牽引しました。
また日韓関係の悪化を受け、大きな特集が組まれた「月刊Hanada」10月号、「月刊WiLL」10月号などもよく売れています。
冒頭で触れたとおり、ビジネス書は依然好調が続き、3か月連続の前年クリアとなりました。
『Think clearly』『心。』『FACTFULNESS』が三つ巴の上位争いを続けるなか、『読みたいことを、書けばいい。』がこれに参戦。月末に発売された『The Third Door』もぐんぐん売上を伸ばしており、今後が楽しみです。
文芸書は7月期に久しぶりの前年クリアとなりましたが、惜しくも2か月連続の100%超えとはなりませんでした。
コミックは、TVアニメ放送中の『鬼滅の刃』が既刊を含めてよく売れているほか、『キングダム』第55巻、『約束のネバーランド』第15巻、『僕のヒーローアカデミア』第24巻などの新刊が売上を牽引しました。
しかし、前年同時期に『SLAM DUNK 新装再編版』が大きく動いていたため、最終結果は前年に及ばず95.7%となりました。
9月に入り、すでに他業界では「まとめ買い喚起」の動きが本格化しています。コミックのまとめ買いや、日記手帳をはじめとした年末商材の早期購入を呼びかけるなどして、書籍・雑誌についてもさらに盛り上げていきましょう。