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日販の「店頭売上前年比調査(5月期)」が発表されました。
これは当年・前年ともに売上データが取得できている店舗を集計対象としたもの。5月は1,822店のデータをもとに作成されています(4月は1,843店)。
3か月連続での店頭前年比100%超に沸いた4月期。ゴールデンウィーク(4月27日~5月6日)も前年比で雑誌が99.1%、書籍が100.7%、コミックが108.1%、開発品が121.5%とすべてのジャンルで前年超え、期間合計は102.4%となり、2016年以来の前年超えを記録しました。
しかし残念ながら5月は大幅にダウンし、前年比95.8%と苦しい結果に。コミック(105.3%)、開発品(107.1%)は前年を超えたものの、雑誌・書籍は前年を割っています。
※ゴールデンウィークの売上動向調査はこちら(日販公式HPへ)
続いて、ジャンル別の調査結果を細かく見ていきましょう。今回の結果はふるわなくとも、大切なのはこれから!ということで、これからブレイクしそうな商品情報とともにお届けします。
雑誌ジャンル全体の実績は、前年比93.2%。特に週刊誌は、「週刊少年ジャンプ」の号数が1号少なかったことが大きく影響しているようです。
また、大型連休による出版社各社のスケジュール変更などもあり、5月期は昨年に比べ、月刊誌・週刊誌(増刊含む)の刊行点数が合計で約140誌ほど減少していました。こういった影響が顕著に出ているとも考えられます。
しかし、厳しいなかでも健闘したのが月刊誌でした。
特に売れ行き好調だったのは、特集「新天皇皇后『知られざる履歴書』」や、村上春樹さんが自身のルーツを初めて綴った特別寄稿「猫を棄てる――父親について語るときに僕の語ること」を掲載した「文藝春秋」6月号。ファッション誌では、リサ・ラーソンのバラエティセット3点を付録につけた「リンネル」7月号がよく売れています。
また5月末からは分冊百科の創刊が続いており、月刊誌においても、5月28日(火)より発売中の「GLOW」7月号は「WEDGWOOD 260周年記念ロゴバッグ」のついた超大型付録!! 期待の一冊です。
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ビジネス書・児童書・新書が売上を牽引していた書籍ジャンルも、5月期は一息ついてしまう残念な結果となりました。
苦しいなか、頑張りを見せているのはやはりビジネス書。昨年『10年後の仕事図鑑』が非常に好調に売れていたため、前年の実績を超えるには至りませんでしたが、『FUCTFULNESS』『メモの魔力』が相変わらず首位争いを繰り広げています。
実用書ジャンルは、価格帯の高い商品が好調に売れているのが注目すべきポイント。『ミシュランガイド 愛知・岐阜・三重 2019 特別版』に引っ張られてか、中部エリアは実用書の売れ行きが非常によくなっています。
異色の図鑑として話題になっている『学研の図鑑 キン肉マン「超人」』も好調。
発売後さっそく週間総合ランキングのトップ10入りを果たしており、今後どこまで部数を伸ばすのかも楽しみです。
文芸書ジャンルでは、7月期に池井戸潤さん原作のドラマ「ノーサイド・ゲーム」がスタート。放送に先がけて原作小説が発売予定です。
ほかのジャンルも夏休みに向けて、続々大物新刊の発売が予定されています。これらをきっかけに逆転なるか!?
コミックジャンルは5月期も前年超え。特に映像化作品がよく売れており、『キングダム』は映画原作エピソードにあたる第1巻~第5巻を中心に、第6巻以降もまとめ買いされるなど引き続き好調です。
4月にTVアニメの放送がスタートした『鬼滅の刃』も売れ行き好調! この結果、105.3%と前年超えをキープしました。
5月期は、ゴールデンウィークを含む前半はよい実績だったものの、後半はその反動に見舞われました。「連休明けの消費冷え込み」は例年見られる事象ですが、今回は例年以上に大きな反動がきているようです。
雑誌ジャンルの解説で触れたように、“超大型連休”に伴うスケジュール変更で刊行点数自体もかなり少なくなっており、全体では8%程度の減少がみられました。一方で、この刊行点数の減少によって、物流効率は若干よくなったといえるかもしれません。
次のベストセラーを育て、書店店頭に人を呼び込み、6月期も盛り上げていきましょう。