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日販の「店頭売上前年比調査(4月期)」が発表されました。
これは当年・前年ともに売上データが取得できている店舗を集計対象としたもの。4月は1,843店のデータをもとに作成されています(3月は1,787店)。
統計開始以来10年以上記録がなかった、2か月連続での前年超えを達成した3月期。なんと4月期も100.9%と前年同月期の売上金額を上回り、3か月連続での店頭前年比100%超となりました。
コミックは9か月連続での対前年クリア。3月期は苦戦していた雑誌も、99.7%まで復調しています。
続いて、ジャンル別の調査結果を細かく見ていきます。
雑誌ジャンルではムックの売上が前年を上回り、全体に大きく貢献しました。
ムックの前年比クリアは、2016年11月以来のこと。今年2月頃から宝島社刊行ブランドムックの一部が「ムック」ではなく「開発品」として刊行されるようになり、ムックジャンルの苦戦が予想されていましたが、堂々の100%超えを記録しました。
ムックで特に売れ行き好調だったのは「NHK 趣味どきっ! そろそろスマホ」「おとなの週刊現代 vol.1」「日経エンタテインメント!乃木坂46 Special」「素敵なあの人 春号」「えいがのおそ松さんOFFICIAL BOOK」。
NHKテキスト「NHK 趣味どきっ! そろそろスマホ」は3月25日(月)の発売以降好調に売れ続けており、60~70代の読者、特に女性によく読まれているようです。
また2月発売ながら、大特集「死後の手続きはこんなに大変です」で注目を集める「おとなの週刊現代 vol.1」も依然売れ行き好調。4月26日(金)にはvol.2が発売されており、こちらの特集記事は「生き方上手、死に方上手 樹木希林さんが教えてくれたこと」となっています。5月期の結果に注目です。
月刊誌では、引き続き“強力付録号”が売れ行き好調。なかでも「marisol」5月号の売れ行きがダントツでした。週刊誌は前年比97.5%と苦戦しているように見えますが、「週刊少年ジャンプ」の刊行号数が1号少なかったというのが大きな要因(前年は5号だったのに対し、今年は4号)。イチロー特集の「Number」などが売上に貢献しています。
▼「marisol」5月号の付録は「DEAN & DELUCA ランチバッグ&カトラリーポーチ2個セット」。
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書籍ジャンルは3月期に悲願の100%超えを達成しましたが、4月期は残念ながら前年比クリアならず。とはいえ、ビジネス書・児童書・新書の3ジャンルは引き続き好調に推移しており、ビジネス書は3か月連続、新書は4か月連続で対前年プラスとなっています。
ビジネス書は、引き続き『メモの魔力』と『FACTFULNESS』が売上を牽引しています。この勢いがどこまで続くのか、そして、早いうちにこれらを読み終えた感度の高い読者が「今」手に取っている本が次のベストセラーになる可能性も高いので、注目して見ていきたいところです。
児童書では「おしりたんてい」シリーズが大ブレイク。4月26日(金)には「東映まんがまつり」上映作品の一つとして映画が公開されましたが、その直前に発売された新作『おしりたんてい かいとうとねらわれたはなよめ』、映画原作の『おしりたんてい カレーなるじけん』が爆発的に売れています。
新書も『一切なりゆき』『妻のトリセツ』といったベストセラーが引き続き牽引。本屋大賞発表で盛り上がった文芸書は、惜しくも前年超えとはならなかったものの、大賞受賞作『そして、バトンは渡された』は前回受賞作を上回るペースで売れています。
それ以上に注目したいのは、本屋大賞第2位の『ひと』が発表をきっかけに大きく売上を伸ばしていること。また翻訳小説部門第1位の『カササギ殺人事件』も非常によく動いています。こういったことから、本屋大賞受賞作・関連作の売上は昨年を上回り、106%超の実績となりました。まだピークを迎えているとはいえず、ここからのさらなる伸びも期待できそうです。
コミックは、映画化作品が好調に動いた1か月でした。特に、前年同月に新刊発売がなかった『名探偵コナン』については、最新96巻や『名探偵コナン ゼロの日常』最新3巻などが発売され、売れ行き好調。TVアニメ化作品では『鬼滅の刃』が好調です。
『キングダム』は、実写映画公開と同日の4月19日(金)に最新54巻が発売されました。映画が公開されたことで既刊も大きく動いており、売れ行きを見た限りでは、第1巻からまとめ買いしている方が続出しているように思います。
今回映画化されたのは第5巻までの内容ですが、第6巻以降もよく売れています。ゴールデンウィークを受けて5月期にさらに数字を伸ばすか、楽しみに集計結果を待ちましょう!
平成最後の月は、めでたく100%超えの結果が出ました。
いよいよ新元号。皇室関連本、万葉集関連本、カレンダーなど、書店の売り場も賑わいを見せています。今後は各新聞社のグラビア写真集や、愛蔵版の発売も相次ぐことでしょう。
令和最初の月がどんな動きを見せるのか、期待して見守りたいと思います。