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2018年も残りわずか。みなさんは今年、どんなできごとが印象に残っていますか?
毎週更新している「本屋で今検索されている本ランキング」ですが、このランキングは、実際の売上ではなく〈商品を見つける前〉〈レジに行く前〉の動向を集計したもの。
もちろん「売れている ⇒ 多くの人が求めている ⇒ 検索されている」という側面は大きいですが、注目度や話題性、いわば“購買熱”や“興味”の要素が反映されているのが特徴です。
今回は、今年1年を「どんな本が探されていたのか」という視点から振り返ってみましょう。
※集計期間:2018年1月1日~12月17日(日販 attaplus!調べ)
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第1位は『大家さんと僕』。2018年の年間ベストセラーで総合第2位に輝いた話題のエッセイ漫画が、検索ランキングでは第1位となりました!
著者は、お笑いコンビ「カラテカ」の矢部太郎さん。“大家さん”の独特なキャラクターはもちろんですが、矢部さんの人の好さがそのままあらわれたような、ほっこりじんわりさせてくれる作風も魅力。
お笑い芸人初の手塚治虫文化賞受賞ということでテレビ番組をはじめメディア露出が増え、長期間にわたって検索されました。
メディア露出という点では、第3位の『漫画 君たちはどう生きるか』、第6位『ざんねんないきもの事典』、第8位『ゼロトレ』なども、テレビ・雑誌・新聞広告などにたびたび取り上げられ注目を集めたタイトルです。
冒頭で触れたように、売れ行きが好調なもの、人気シリーズの新刊、テレビなどで紹介されたものなどは、「関心をもっている人の多さ」「関心度の高さ」から検索回数が増える傾向にあります。
しかしその一方で、集計の結果、「これは検索ランキングならでは」というタイトルも多数見られました。
続いては、それらを傾向別にピックアップしてご紹介します。
6人組の人気YouTuber「東海オンエア」。
チャンネル登録者数は300万人超、Twitterのフォロワー数は6人あわせると約541万人! 『東海オンエアの動画が6.4倍楽しくなる本』は発売直後の検索ランキングでぶっちぎりの第1位を獲得し、以降も上位をキープしていました。
本作は、そんな彼らの動画を楽しむためのミソである「概要欄」を集めた一冊。まだ動画を見たことがない人も、動画の概要欄の域を超えた、エスプリに富む虫眼鏡さんの文体に魅了されるはず。
『好きな人を忘れる方法があるなら教えてくれよ』は、Twitter・Instagramを中心に人気のニャンさん(@radran10)による著書。
好きな人からラインが来ない夜って長すぎるから、返ってこない日は最初から「今日は返しません」って教えてくれる機能が欲しい
「そこまでして愛されたいの?」って聞くなよ。愛されてえよバカ野郎。
よそいきの言葉ではなく、心からそのまま出てきたようなツイートの数々が「心に刺さる」と話題のニャンさん。
「Twitter界の謎のプリンス」「メンヘラホイホイ」とも呼ばれる彼の正体は現役男子大学生で、恋愛相談を中心としたYouTubeチャンネル「ニャンちゃん相談室」でも活動しています。
Twitterに初めてエピソードが投稿されたのは2017年11月。たちまち話題になり6日後には書籍化が決定、今年3月に第1巻が発売されて、現在第3巻まで続いています。
この『こぐまのケーキ屋さん』、もともとは作者のカメントツさんが、疲れた友人を元気づけるために描いたものだそう。こぐまの店長のあどけない仕草が、読者である私たちも癒やしてくれます。
興行収入が91億円を突破し、シリーズ最高の大ヒットとなった「劇場版名探偵コナン ゼロの執行人」。
メインキャラクターとして登場した安室透の人気は凄まじく、「#安室透を100億の男に」の旗のもと、繰り返し劇場に足を運ぶファンが相次ぎました。
『名探偵コナン 安室透/バーボン/降谷零 シークレットアーカイブスPLUS』は、私立探偵(安室透)、黒ずくめの組織の一員(バーボン)、公安警察(降谷零)の3つの顔をもつ彼を1冊まるごと使って特集したもの。
それ以外の関連本も多くの人が求めたようで、劇場版「ゼロの執行人」のノベライズ本が第27位、安室透を主人公にしたスピンオフ漫画『名探偵コナン ゼロの日常』第1巻が第72位にランクイン。
また12月には、シリーズ初の原画・設定資料集が刊行されました。
大人気テレビドラマ「コード・ブルー」シリーズの劇場版ノベライズ。映画は7月27日に公開され、興行収入92億円を突破、実写邦画歴代第5位にランクインしました。
7月17日の発売から約1か月、検索ランキングのトップ10以内に入り続けた本書。ドラマシリーズからのファンだけでなく、映画を観てファンになった方からの支持も受けていたのではないでしょうか。
ドラマ1stシーズンのノベライズも第32位にランクインしています。
なお映画ヒット作関連では『コーヒーが冷めないうちに』(第9位)、昨年の実写映画化に続き劇場版アニメが公開された『君の膵臓をたべたい』(第11位)、『スマホを落としただけなのに』(第57位)も押さえておきたいところ。
2018年12月26日現在、検索ランキングで4週連続首位をキープしている『トラペジウム』。
乃木坂46随一の読書家・高山一実さんの長編小説デビュー作ということで刊行決定時から注目を集めていた本作は、発売まもなく品切れ店が続出、SNSでは「何軒も回ってようやく買えた」、逆に「何軒も回っているのにどこにもない」という声が多く見受けられました。
それから数週間、12月21日頃より“年内最後の重版分”が書店店頭に順次並んでいます。まだ手に入れていない方はお早めに!
1990年に刊行開始、現在シリーズ累計発行部数2,000万部を超えているライトノベルの金字塔。
10月20日に発売された第16巻は、18年ぶりの新刊、しかも「旧ファンタジア文庫デザインと新デザインのリバーシブルカバー仕様」ということで大きな話題になりました。
なお、惜しくも圏外となりましたが、今年は「ザ・スニーカーLegend」の刊行もファンの間で話題になりました。
「ザ・スニーカーLegend」は、スニーカー文庫創刊30周年を記念して、2011年に休刊されたライトノベル雑誌「ザ・スニーカー」を1号限りで復活させたもの。
5年ぶりの新作となる「涼宮ハルヒ」シリーズの書き下ろし短編をはじめ、『ロードス島戦記』『この素晴らしい世界に祝福を!』の短編、あかほりさとるさんらレジェンド作家の特別寄稿、アニメキャスト陣インタビュー、歴代ヒロイン特集などが収録されています。
「週刊少年ジャンプ」(集英社)での連載終了から19年。「あの“るろ剣”が帰ってきた!」ということで話題になったのがこちら。
新シリーズの物語の舞台は北海道。おなじみのメンバーに加え、志々雄真実の意志を継ぐ少年・明日郎をはじめとした新キャラクターも登場しています。
最後に紹介するのは、実は毎週更新のランキングには一度も登場していないタイトル。発売されたのは2014年、しかも6,000円を超える高価な商品ですが、年間通じて検索され続けたことで100位以内にランクインしました。
「TRPG」とは「テーブルトーク・ロールプレイングゲーム」の略記で、本書はその決定版ともいえる一冊。
多くのゲームやライトノベル、アニメなどでモチーフになっていることで広く知られる一方、多様な解釈や派生によって、その世界の全体像を把握することが難しい「クトゥルフ神話」。しかしその複雑さこそが魅力で、世界中でファンを拡大、現在は女性ファンがぐんぐん増えているようです。
あなたにとっての「2018年のトピックス」はありましたか?
「今本屋で検索されている本ランキング」は、2019年も毎週お届けしていきます。売上ランキングとはちょっと違った、新しい本との出会いのきっかけになれば幸いです。