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11月30日(金)、日本出版販売から年間ベストセラーが発表されます。
年間ベストセラーは毎年発表されていますが、今回はなんといっても“平成最後”の年間ベストセラー。
発表の前に、過去29年間分のランキングを振り返ってみましょう。
【2018/11/30更新】2018年の年間ベストセラーが発表されました!(記事はこちら)
※この記事は第2弾[1999(平成11)年~2008(平成20)年]のベストセラーランキングです。
「平成の年間ベストセラーを振り返る」アーカイブ
〉平成元年~平成10年 編
〉平成11年~平成20年 編
〉平成21年~平成29年 編(最終回)
1999年
・第1位『五体不満足』(乙武洋匡/講談社)
・第2位『ファイナルファンタジーVIII アルティマニア』(スタジオベントスタッフ編/デジキュー)
・第3位『日本語練習帳』(大野晋/岩波書店)
2000年
・第1位『だから、あなたも生きぬいて』(大平光代/講談社)
・第2位『ハリー・ポッターと賢者の石』『〃 秘密の部屋』(J.K.ローリング/静山社)
・第3位『太陽の法 エル・カンターレへの道』(大川隆法/幸福の科学出版)
2001年
・第1位『チーズはどこへ消えた?』(スペンサー・ジョンソン/扶桑社)
・第2位『ハリー・ポッターと賢者の石』『〃 秘密の部屋』『〃 アズカバンの囚人』(J.K.ローリング/静山社)
・第3位『奇跡の法』(大川隆法/幸福の科学出版)
2002年
・第1位『ハリー・ポッターと賢者の石』『〃 秘密の部屋』『〃 アズカバンの囚人』『〃 炎のゴブレット』(J.K.ローリング/静山社)
・第2位『ビッグ・ファット・キャットの世界一簡単な英語の本』(向山淳子、向山貴彦/幻冬舎)
・第3位『生きかた上手』(日野原重明/ユーリーグ)
2003年
・第1位『バカの壁』(養老孟司/新潮社)
・第2位『世界の中心で、愛をさけぶ』(片山恭一/小学館)
・第3位『トリビアの泉』(フジテレビ トリビア普及委員会/講談社)
2004年
・第1位『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』(J.K.ローリング/静山社)
・第2位『世界の中心で、愛をさけぶ』(片山恭一/小学館)
・第3位『バカの壁』(養老孟司/新潮社)
2005年
・第1位『頭がいい人、悪い人の話し方』(樋口裕一/PHP研究所)
・第2位『香峯子抄』(主婦の友社/主婦の友社)
・第3位『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』(山田真哉/光文社)
2006年
・第1位『国家の品格』(藤原正彦/新潮社)
・第2位『ハリー・ポッターと謎のプリンス』(J.K.ローリング/静山社)
・第3位『東京タワー』(リリー・フランキー/扶桑社)
2007年
・第1位『女性の品格』(坂東眞理子/PHP研究所)
・第2位『ホームレス中学生』(田村裕/ワニブックス)
・第3位『鈍感力』(渡辺淳一/集英社)
2008年
・第1位『ハリー・ポッターと死の秘宝』(J.K.ローリング/静山社)
・第2位『夢をかなえるゾウ』(水野敬也/飛鳥新社)
・第3位『B型自分の説明書』(Jamais Jamais/文芸社)
世界に先駆け、携帯電話のインターネット接続サービスが開始された1999(平成11)年。この年の総合第1位は、乙武洋匡さんの『五体不満足』が獲得しました。
『五体不満足』は、「先天性四肢切断」という障害をもって生まれた自身の半生を綴った一冊。「障害は不便です。しかし、不幸ではありません」という言葉にもあらわれていますが、乙武さんの前向きな姿勢は、多くの読者の心を打ちました。
刊行当時、乙武さんは早稲田大学在学中。平成の年間ベストセラー史上、最年少での総合第1位獲得です。
2000(平成12)年に大ヒットを記録したのが、『だから、あなたも生きぬいて』。暴力団組長の妻から一念発起し弁護士となった大平光代さんの自叙伝で、その壮絶な半生が世間を驚かすとともに、力強いメッセージで多くの人に勇気をもたらしました。
「ハリー・ポッター」シリーズがランクインし始めたのもこの頃。2001年には映画が公開され、国内に“ハリポタブーム”が到来します。
当時「ハリー・ポッター」に出合ったことで、読書が好きになったという人も少なくないはず。「物語を読む楽しさ」を知る入り口になった、偉大な作品です。
なお同シリーズは、日本がベッカムフィーバーに沸いた2002(平成14)年、ついに第1位に輝きます。平成の年間ベストセラー史上、児童書シリーズが総合第1位を獲得するのはこれのみです。
21世紀に入って最初の第1位は、『チーズはどこへ消えた?』。
普遍的で、子どもから大人まで読めるやさしい内容ではありますが、IBMやアップル・コンピュータ(現アップル)といった名だたる大企業が社員教育のテキストに採用したことで、“ビジネスマン必携の書”としても注目を集めました。
ちなみに、それから15年後の2016年、『チーズはどこへ消えた?』に再ブームが訪れます。
きっかけは、プロ野球の大谷翔平選手がインタビューで『チーズはどこへ消えた?』を愛読書に挙げたこと。大谷選手の人気もさることながら、これはやはり、時代が変わっても色あせない作品自体の力があればこそ。名著とは、“求められる時代”が繰り返し訪れるものなのかもしれません。
2003(平成15)年には、東京大学名誉教授をつとめる解剖学者・養老孟司さんの『バカの壁』が首位を獲得し、“第四次新書ブーム”が幕を開けます。
2005年からは3年連続で新書が総合第1位を獲得。特に2005(平成17)年は、第1位に『頭がいい人、悪い人の話し方』、第3位に『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』と、トップ3に新書が2作ランクインしました。
そのなかでも、前述した『バカの壁』の売れ行きは群を抜いており、刊行された2003年4月から53週連続で週間ベストセラー(新書ノンフィクション部門)第1位を獲得。それにストップをかけたのは、2004年4月に発売された同じく養老孟司さんの新書『死の壁』でした。
このときのブームを受け、2008年に「新書大賞」が創設されています(主催:中央公論新社)。
2008(平成20)年7月には、「ハリー・ポッター」シリーズの第7作にして完結巻『ハリー・ポッターと死の秘宝』が発売されました。
シリーズ第1作『ハリー・ポッターと賢者の石』の発売から9年。ハリポタブーム当時小学校高学年だった子どもがちょうど成人を迎える頃でしたが、この年の年間ベストセラーで堂々の第1位を獲得し、いかに多くのファンに愛されてきたかを見せつけました。
「ハリー・ポッター」シリーズの首位獲得は、2002(平成14)年、2004(平成16)年に続き3度目。前回の記事で「総合第1位を複数獲得した著者が3名いる」と紹介しましたが、J.K.ローリングさんがそのうちの1人です。
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自伝、児童文学、教養新書…… 21世紀に入り、ベストセラーの傾向が少し変わってきたことがわかると思います。
次回は連載最終回。2009(平成21)年~2017(平成29)年を振り返ります! お楽しみに。
>平成の年間ベストセラーを振り返る[平成21年~平成29年 編:最終回]
・平成の年間ベストセラーを振り返る[第1回:平成元年~平成10年]
・「2018年上半期でもっとも売れた本」が発表!80年前の歴史的名著が現代のベストセラーに
・2017年で2番めに売れたのは『ざんねんないきもの事典』。では1番売れたのは……?