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早川書房は11月19日、第5回アガサ・クリスティー賞と第3回ハヤカワSFコンテストの贈賞式を、東京・港区の明治記念館で開催した。
第5回アガサ・クリスティー賞は清水杜氏彦さんの『うそつき、うそつき』が受賞。清水さんは「電話で、その日の服装等を言い当てる女について」で6月に第37回小説推理新人賞を受賞したばかりで、単行本が刊行されたのは今回の『うそつき、うそつき』が初めてとなる。
また第3回ハヤカワSFコンテストは小川哲さんの『ユートロニカのこちら側』が大賞を、つかいまことさんの『世界の涯ての夏』が佳作を受賞した。ハヤカワSFコンテストは未発表のSF小説が対象の新人賞で、受賞作は単行本と電子書籍の両方で刊行されるほか、英語と中国語に翻訳されて配信もされる。なお大賞を受賞した小川哲さんは、東京大学大学院に在学中の学生。つかいまことさんは現役のゲームデザイナーである。
▼受賞の清水さん(中央右)、小川さん(中央左)
♦第5回アガサ・クリスティー賞
[日販MARCより]
その少年は、国民管理用の首輪型嘘発見器の非合法除去を生業としていた。近未来の管理社会を生きる少年の苦悩と成長を瑞々しい筆致で描く、ディストピア青春ミステリ。
清水 杜氏彦(しみず・としひこ)
1985年群馬県出身。千葉大学大学院工学研究科修了。2015年6月「電話で、その日の服装等を言い当てる女について」で第37回小説推理新人賞受賞。
〈受賞コメント〉
20歳を過ぎた頃、カーヴァーの短篇との出会いをきっかけに本を読むようになった。ヴォネガット、アーヴィング、オースターらから影響を受けて、いつしか自分でも小説を書いてみたいと思った。この作品は、ミステリー、SF、純文学、ライトノベル、どのジャンルを愛好される方が読んでも楽しめるように書いたので、ぜひ読んでいただきたい。
♦第3回ハヤカワSFコンテスト 大賞
[日販MARCより]
個人情報と引き換えに完璧な生活が約束されるアガスティアリゾート。安全と安心に満たされて生きることに、人間存在の自由と幸福、未来の姿はあるのか…。
大賞 小川 哲(おがわ・さとし)
1986年千葉県出身。東京大学大学院総合文化研究科博士課程。
〈受賞コメント〉
創作とは本来、孤独で地道なものと思っている。これからも継続して、作品を書き続けていけるよう、自分でできることを追求していきたい。
♦第3回ハヤカワSFコンテスト 佳作
[日販MARCより]
異次元との接触現象「涯て」に侵食される地球。人類は脳を繋いだネットワークを構築し、その膨張を食い止めようとしていたが…。
つかい まこと
1969年大阪府出身。関西大学卒業。現在ゲームデザイナー。
〈受賞コメント〉
私のような者にも表現するものが残っているのか、人類はもう読む以上のものを書いてしまったのではないかと思ったりするが、書く側の人間としてチャンスをいただけたので、邪魔にならない隅っこの方で、考えたり書いたりする人間で居続けたい。