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今『学習まんが』に熱い視線が集まっています。その事の発端は「ビリギャルブーム」。2013年12月に発売された『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』(単行本)は発売時点から注目を集め、一大ベストセラーとなりました。2015年春には映画化、文庫化と大きな話題を集め、今でもまだまだ売れ続けています。
『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』の中では、『学習まんが少年少女日本の歴史』(小学館)が勉強に使った本として紹介されています。
実際に、現在の『学習まんが少年少女日本の歴史』読者の併読本を見てみると、下記のような状態になっていました。
rank | 書名 | 著者 | 出版社 |
1 | 学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶応大学に現役合格した話 | 坪田信貴 | KADOKAWA |
2 | 14歳からの哲学 | 池田晶子 | トランスビュー |
3 | こころのふしぎなぜ?どうして? | 大野正人 | 高橋書店 |
3 | 火花 | 又吉直樹 | 文藝春秋 |
4 | アナと雪の女王 | サラ・ネイサン | 偕成社 |
5 | ちびまる子ちゃんの四字熟語教室 | さくらももこ | 集英社 |
ビリギャルブームがいったんの落ち着きを見せている今ですが、実はこの歴史漫画が大変熱いことになっているのです。
先に取り上げた小学館のセットを筆頭に、日本の歴史の学習漫画は、KADOKAWAや集英社、学研から発売されています。どれも発売以降改訂を重ねているシリーズですが、この4セット合計の売上動向を見てみました。
▼それがこちら(日本の歴史の学習漫画4セット合計の売上動向)
『ビリギャル』発売の2013年12月を1つの転機として、そこから売上ペースが上がっています(※学研まんが日本の歴史の改訂時期も2013年12月)。以降、『ビリギャル』の映画化、夏の『角川まんが学習シリーズ』発売と、売上のペースは下がる様子が見られません。
続いて、歴史漫画の購入者の読者層を見てみましょう(※表は上記4セットの読者層)。
小中学生を子どもに持っているであろう40代のパパ・ママ世代の購入が目立ち、40代で約50%を占める結果となっています。もう少しおじいちゃん、おばあちゃん世代の購入が多いかと思っていましたが、意外にもここは少なく、10代(自分のお小遣いで買っているのでしょうか?)読者と並ぶ結果に。
『ビリギャル』影響、新刊発売の影響などで見えづらくなっていますが、先のグラフを細かく見ていくと、3月と12月に1つの大きな山、続いて夏休み時期に1つの山がきていることが分かります。こう考えると、備えるべき次の山は、12月のクリスマス~年末年始シーズンでしょう。今年は角川版新セットの送品(11月予定)も控えていますので注目です。また、来年は学研の世界の歴史の発売、来秋には集英社版が18年ぶりの全面改訂など、学習漫画ジャンルはしばらく話題が続きます!
一方で、在庫に場所をとるなどの理由から店頭展開が難しいのが、このシリーズの課題です。来店して衝動買い……というセットではないため、新入学、クリスマスシーズンに売上を作るためには、早めの予約活動が必要となります。
購入者の併読雑誌の上位には「コロコロコミック」「ちゃお」といった雑誌が並んでいますので、この世代に向けての告知活動を早めに行いましょう。
改訂のたびに内容の変更、時代にあわせた工夫がこらされています。新しさはそのまま大きな価値になります。ひそかに熱い学習漫画ジャンルにご注目ください!
(「文化通信BB」第4213号―2015年10月26日(月曜日)増刊より転載)
※転載にあたり、一部編集を加えています。