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  • 『学習まんが』前線異常あり?次の山は12月のクリスマス、年末シーズン

    2015年11月02日
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    古幡瑞穂(日販 販売企画G)
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    今『学習まんが』に熱い視線が集まっています。その事の発端は「ビリギャルブーム」。2013年12月に発売された『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』(単行本)は発売時点から注目を集め、一大ベストセラーとなりました。2015年春には映画化、文庫化と大きな話題を集め、今でもまだまだ売れ続けています。

     

    歴史漫画が大変熱い

    『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』の中では、『学習まんが少年少女日本の歴史』(小学館)が勉強に使った本として紹介されています。

    学習まんが少年少女日本の歴史(23巻セット)
    発売日:2004年02月
    発行所:小学館
    価格:20,845円(税込)
    ISBNコード:9784092989016

    実際に、現在の『学習まんが少年少女日本の歴史』読者の併読本を見てみると、下記のような状態になっていました。

    rank 書名 著者 出版社
    1 学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶応大学に現役合格した話 坪田信貴 KADOKAWA
    2 14歳からの哲学 池田晶子 トランスビュー
    3 こころのふしぎなぜ?どうして? 大野正人 高橋書店
    3 火花 又吉直樹 文藝春秋
    4 アナと雪の女王 サラ・ネイサン 偕成社
    5 ちびまる子ちゃんの四字熟語教室 さくらももこ 集英社

    ビリギャルブームがいったんの落ち着きを見せている今ですが、実はこの歴史漫画が大変熱いことになっているのです。

     

    『ビリギャル』発売が転機に

    先に取り上げた小学館のセットを筆頭に、日本の歴史の学習漫画は、KADOKAWAや集英社、学研から発売されています。どれも発売以降改訂を重ねているシリーズですが、この4セット合計の売上動向を見てみました。

    ▼それがこちら(日本の歴史の学習漫画4セット合計の売上動向)

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    『ビリギャル』発売の2013年12月を1つの転機として、そこから売上ペースが上がっています(※学研まんが日本の歴史の改訂時期も2013年12月)。以降、『ビリギャル』の映画化、夏の『角川まんが学習シリーズ』発売と、売上のペースは下がる様子が見られません。

     

    読者はパパ・ママ世代

    続いて、歴史漫画の購入者の読者層を見てみましょう(※表は上記4セットの読者層)。

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    小中学生を子どもに持っているであろう40代のパパ・ママ世代の購入が目立ち、40代で約50%を占める結果となっています。もう少しおじいちゃん、おばあちゃん世代の購入が多いかと思っていましたが、意外にもここは少なく、10代(自分のお小遣いで買っているのでしょうか?)読者と並ぶ結果に。

     

    早期の予約活動が肝要

    『ビリギャル』影響、新刊発売の影響などで見えづらくなっていますが、先のグラフを細かく見ていくと、3月と12月に1つの大きな山、続いて夏休み時期に1つの山がきていることが分かります。こう考えると、備えるべき次の山は、12月のクリスマス~年末年始シーズンでしょう。今年は角川版新セットの送品(11月予定)も控えていますので注目です。また、来年は学研の世界の歴史の発売、来秋には集英社版が18年ぶりの全面改訂など、学習漫画ジャンルはしばらく話題が続きます!

    一方で、在庫に場所をとるなどの理由から店頭展開が難しいのが、このシリーズの課題です。来店して衝動買い……というセットではないため、新入学、クリスマスシーズンに売上を作るためには、早めの予約活動が必要となります。

    購入者の併読雑誌の上位には「コロコロコミック」「ちゃお」といった雑誌が並んでいますので、この世代に向けての告知活動を早めに行いましょう。

    改訂のたびに内容の変更、時代にあわせた工夫がこらされています。新しさはそのまま大きな価値になります。ひそかに熱い学習漫画ジャンルにご注目ください!


    (「文化通信BB」第4213号―2015年10月26日(月曜日)増刊より転載)
    ※転載にあたり、一部編集を加えています。

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