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前回の「お金・投資本ランキング」(2017年10月~12月)公開から3か月。この間マーケットは、大荒れの展開となりました。
まず日経平均株価は、1月23日(火)につけた高値2万4129円を天井に調整局面に突入。一時は安値2万347円まで値を崩し(3月26日(月))、その後若干戻したものの、いまだ予断を許さない状況です。
また、昨年末に乱高下を繰り返していた仮想通貨も軟調に。代表格のビットコインは、1月上旬には200万円前後だったのが、2月には一時約65万円まで大幅下落。大手取引所「コインチェック」からの仮想通貨流出など、信頼問題に発展しかねない事件が発生したこともあり、先が読みづらい展開となっています。
大荒れの展開の中、全国の書店店頭ではどのような「お金・投資関連本」が売れていたのでしょうか? 直近3か月(1~3月)の売上ランキングを発表します(日販 オープンネットワークWIN調べ/括弧内は前回の順位との比較です)。
順位 | 書名 | 著者 | 出版社 | 発売日 |
1(↑) | お金2.0 | 佐藤航陽 | 幻冬舎 | 2017/11/30 |
2(↓) | はじめての人のための3000円投資生活 | 横山光昭 | アスコム | 2016/6/27 |
3(→) | めざせ「億り人」!マンガでわかる最強の株入門 | 安恒理 | 新星出版社 | 2017/6/5 |
4(↓) | 投資なんか、おやめなさい | 荻原博子 | 新潮社 | 2017/9/15 |
5(NEW) | 入門ビットコインとブロックチェーン | 野口悠紀雄 | PHP研究所 | 2017/12/20 |
6(↓) | いまさら聞けないビットコインとブロックチェーン | 大塚雄介 | ディスカヴァー・トゥエンティワン | 2017/3/15 |
7(NEW) | お金は寝かせて増やしなさい | 水瀬ケンイチ | フォレスト出版 | 2017/12/8 |
8(NEW) | 株の超入門書 改訂2版 | 安恒理 | 高橋書店 | 2018/1/20 |
9(NEW) | マンガでわかるビットコインと仮想通貨 | 三原弘之 | 池田書店 | 2017/12/16 |
10(↓) | 金持ち父さん貧乏父さん | ロバート・キヨサキ | 筑摩書房 | 2013/11/8 |
第1位は『お金2.0』。前回の第9位から大幅ランクアップしました。
『お金2.0』は、フォーブス誌「日本を救う起業家ベスト10」にも選ばれた株式会社メタップス創業者・佐藤航陽さんによる著書。メタップスは、著名人・専門家の“時間”を売買する「タイムバンク」というサービスでも知られています。
仮想通貨、フィンテック、シェアリングエコノミー、評価経済など、新しい概念が次々に生まれている現代の経済において、「これから何が変わるのか」「そのうえでどう生きるか」を論じた“新しいお金の教科書”ともいえる本書。昨年11月の発売以降、テレビ・新聞などのメディアで多数取り上げられ、交通広告などの影響もあって1月から売上が急上昇しました。
その後重版を繰り返して読者を拡大し、次第に読者構成も変化。発売直後は男性読者が中心でしたが、現在の読者は約3割が女性です。男女ともに50代をピークに、幅広い世代に読まれています。
前回・前々回とトップの座を獲得した『はじめての人のための3000円投資生活』は、第2位にランクイン。『めざせ「億り人」!マンガでわかる最強の株入門』は第3位をキープしました。いずれも相変わらず売れ行き好調です。
続いて、ランキング初登場のタイトルを見ていきましょう。
まずは第5位の『入門ビットコインとブロックチェーン』。著者は『超整理法』で知られる経済学者・野口悠紀雄さんです。
「仮想通貨とは何か」「仮想通貨の買い方は?」といった実際的な内容だけでなく、ブロックチェーンをはじめ技術面にもしっかりフォーカスしており、Q&A方式でわかりやすく読み進めることができます。
仮想通貨に関する本のうち、投資目的のものは20代の読者も多いのが特徴。しかし本書の購入者は50~60代の男性が中心となっており、お金の“新しい流れ”を基礎から学ぼうとする姿勢が想像されます。
第7位の『お金は寝かせて増やしなさい』は、IT企業に勤める会社員ながら人気ブロガーとしても活動する水瀬ケンイチさんの著書。水瀬さんのブログ「梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー」は、インデックス投資のバイブルとして界隈では知られた存在です。
本書で推奨されているのは、日経平均株価・TOPIXなどの「株価指標」と同じような値動きをするように作られた投資信託(インデックスファンド)を毎月積み立て購入するインデックス投資。15年間にわたるインデックス投資経験のなかで著者が得た叡智が、惜しみなく公開されています。
本書のポイントは、プロの投資家ではなく、個人投資家としての目線が徹底されているところ。これ以上ないくらいくわしく具体的に解説されているので、時間がない人・知識が浅い人でもしっかり理解できます。
また技術面だけでなく、実体験にもとづいた「暴落時に売らずに耐えるための心理面」についても解説されており、読者にとってはお守りのような一冊となるはず。30~60代の男性を中心に読まれています。
最後に紹介するのは、第9位の『マンガでわかるビットコインと仮想通貨』です。
『マンガでわかるビットコインと仮想通貨』は、仮想通貨のメリットだけでなく、弱点やリスクも含めてやさしく漫画で解説している入門書。ブロックチェーンやマイニングといった基礎知識も学べます。「仮想通貨について時間をかけずにざっくり知っておきたい」という方には特におすすめです。
今売れている「お金・投資本」のランキングはいかがでしたか?
株や仮想通貨の急落で投資意欲も冷え込んでいるのかと思いきや、投資本の売上は相変わらず好調です。今後の方向性がはっきりしない相場が続いていますが、このタイミングで今一度投資の基礎を勉強してみてはいかがでしょうか。
次回の「お金・投資本」ランキングは7月ごろ公開予定です。次回もお楽しみに!