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2017年の年間ベストセラー総合ランキング第2位(日販調べ)。昨年、一番多く売れた児童書が『おもしろい! 進化のふしぎ ざんねんないきもの事典』である。
2016年5月に発売され、2018年2月20日に100万部を突破。2017年6月に発売された第2弾『続 ざんねんないきもの事典』と合わせると累計発行部数は167.8万部※にのぼり、さらに5月末には第3弾『続々 ざんねんないきもの事典』が発売予定だ。
※2018年3月20日現在。『ざんねんないきもの事典』52刷102.3万部、『続 ざんねんないきもの事典』20刷65.5万部。
同シリーズがここまでのヒット商品になった要因はどこにあったのか。制作と販売の舞台裏を聞いた。
(左から)
高橋書店 取締役 販売部 本部長 寺﨑洋一さん
同 書籍編集部第1課 主任 山下利奈さん
山下:高橋書店は、累計240万部の「なぜ?どうして?」シリーズをはじめ、これまでにも多くの児童書を出版しています。その中には図鑑のシリーズもあって、それらは生き物の能力や生態の「すごさ」にスポットを当てたものでした。
でも、生き物には「すごい」だけではなくて、私たちから見れば「どうしてそうなった!?」と思わずツッコミたくなるような部分もたくさんあります。たとえば「キリンの首は長い」ということは多くの図鑑に載っていますが、「実は舌も長くて、その舌で鼻くそをほじる」ということはあまり知られていません。そういうあまり注目されてこなかった一面にスポットを当てて情報を集めると、生き物好きの子どもたちに楽しんでもらえるかなと考えました。
▼『続 ざんねんないきもの事典』より
読者ターゲットは、ピンポイントに「小学4年生の男子」。しかも、どちらかと言えば本を読むのが苦手で、「外で昆虫をつかまえて遊ぶほうが好き」というような子たちです。なので、気軽に読めるようすべて1ページで完結させ、飽きないように文字数も少なくし、ギャグが入ったゆるいテイストの文章にまとめました。
私は児童書のほかに健康・料理など生活実用書の編集も担当しているので、実用書作りのノウハウを活かした部分もあります。たとえばオーソドックスな図鑑のような写真ではなく、あえてイラストを使うことでゆるい雰囲気を出しました。でも、単にかわいいだけのイラストでは決してないんです。「事典」なので、生き物を忠実に描くことにはこだわりました。