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書店店頭を「今年のベストセラー」が飾る時期になりました。この1年を彩った本の紹介は他所に譲るとして、今回は毎年恒例(?)の「今年一番売れた日はいつだった?」というテーマを取り上げたいと思います。
日販のPOSデータをもとに、2016年12月1日から2017年11月30日までの1年間について、書籍・雑誌すべてを対象に日別の売上冊数(金額ではなく冊数です)を抽出しました。
そして年間売上冊数の平均値を100%とし、各日の売上冊数を平均値と対比。その結果、もっとも売上が大きかった日は次のようになっていました。
これに「その日最も売れたもの」を書き加えると、このようになります。
※クリックすると拡大して見られます。
上位10日のうちなんと8割が12月、6割が土曜日という結果に。そしてその日一番売れた商品は、ほぼコミックです。
そんな中での唯一の書籍が『騎士団長殺し』。この存在感、キラーコンテンツぶりが光っています。
しかしやはり12月の売上はすごい! クリスマスまでの3日はもちろん、大晦日以外の土曜日はすべてランクインしています。
それではせっかくなので、クリスマス時期から年末年始の数字も見ておきましょう。
2016年は12月31日に「特別発売日」が設定されましたが、その日も134.3%と好調。続く2017年1月1日も、休日としている店舗が多かったにもかかわらず95.7%となかなかの動きです。そしてその好調ぶりは、正月休みからその後の連休まで続いています。
今年の繁忙期は、まさに今から! 読者の皆さん、書店員の皆さん、気合いを入れて年末年始の本棚に向かい合いましょう!
2017年の正月といえば、1月4日放送の「NHK クローズアップ現代+」の影響で『サピエンス全史』が最も売れた時期でした。重厚な読み物は、まさに年末年始向きの作品です。
ところで、昨年の年末時期(12月~1月)に『サピエンス全史』を購入した方は、今どんな本を購入されているのでしょうか?読者の購入履歴から注目銘柄を紹介したいと思います。
先日逝去が報道された、元東芝社長の遺言といっていい一冊。崩壊のトリガーを引いた“戦犯”とも言われている元経営者は、何を告白しているのか。今最も注目を集めている企業ものです。
今、自動車産業に100年に1度というパラダイムシフトが起こっているそうです。自動車はどんどんソフトウェアの塊に進化し、IT技術がものをいう世界になってきました。
大手各社がどんなことを考えているのか、自動車会社は自動車会社として残っていけるのか。他産業で働く方も目が離せないテーマです。
ヒト、生命関連の併読本が目立つ中、多くの人が手に取っていたのがこちら。『人類20万年 遙かなる旅路』の著者の最新作です。
「ヒトの発生」という驚きに満ちたテーマについて語った、生命進化の歴史がわかる一冊。
著者は、ホーキングのもとで物理学を学び、その後共著者もつとめたサイエンスライター。フランスの「ベストサイエンスブック・オブ・ザ・イヤー」を受賞した注目の科学解説本!
年末年始は歴史、それも宇宙や人体といった長大なテーマに挑むにもいい時期です。ぜひお気に入りの一冊を見つけてください。
話は戻りますが、せっかくなので、売上が悪かった日の方も見ておきましょう。売上がよかった日と同じように、平均比との比較でワースト5を並べてみました。
その日がどんな日だったか思い出せるように、当日の朝日新聞のトップ記事も紹介します。
最も数字が良くなかったのは今年の11月14日。これまでこういった売上の悪い日は、天気・天災が要因になっていることが多かったのですが、この日は全国的な雨でした。一部の地域では激しく雨が降ったところもあったようです。天気でいうと、5月16日以外はほぼ全国的に雨の区域が多かったようです。
ちなみに6月13日は、上野動物園のパンダの赤ちゃん(シャンシャン)誕生の翌日でした。この日は数字が悪かったものの、それ以降はパンダの写真集や絵本が好調に動いています。
悪い要因が見えてこないのは気持ちの悪いものですが、一方で「それなら逆転は可能」とも考えられます。
事件があった日も、めでたい日も、もちろん面白い新刊が出た日も、考え事をしたい日も、本屋さんに足を運ぶことの多い年末年始、そして2018年になることを祈っています。
(「HONZ」で2017年12月14日に公開された記事に、一部編集を加えています)