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『漫画 君たちはどう生きるか』の勢いが止まりません。
本書は、吉野源三郎さんの『君たちはどう生きるか』を漫画化したもの。『君たちはどう生きるか』はもともと名著として知られた本で、岩波文庫版がずっと愛読されていましたが、8月に新装版・漫画版が同時発売され、時間をかけて火が点き今や一大ブームとなりました!
今回は、そんな『漫画 君たちはどう生きるか』の売れ行き・読者層などを見ていきます。
下図は、『漫画 君たちはどう生きるか』発売日以降の売上動向を示したグラフです(日販 オープンネットワークWIN調べ)。
※クリックすると画像を拡大して見られます。
これに、新聞・テレビ放送などの主なパブリシティ情報を加えながら見てみましょう。
※パブリシティ情報は、日販 WIN+に掲載されている全国紙およびキー局テレビ番組での取り扱い情報をもとにしています。
まずは発売から10月末までを見てみましょう。
発売後初めての新聞広告は、8月26日付の日経新聞です。その後じわじわと売れていましたが、10月21日放送の「世界一受けたい授業スペシャル」で取り上げられたことが流れを変えました。そこから快進撃が続き、日本テレビ、フジテレビ系列の番組で断続的に取り上げられ続けます。
そして最も大きな盛り上がりとなったのが、11月26日放送のNHK「おはよう日本」。このとき12分を超える長さで取り上げられ、売上が最高潮に達します。
グラフには記載できませんでしたが、その後もフジテレビ「めざましテレビ」(11月29日)、毎日新聞朝刊の総合・社会面(11月30日)、フジテレビ「めざましどようび」・TBSテレビ「王様のブランチ」・朝日新聞朝刊「天声人語」(いずれも12月2日)とパブリシティが続きました。
なお、もうすっかり世の中に認知されている気になっていますが、実はまだ取り上げは前述の3局が中心。11月27日にはNHKムックから「NHK 100分de名著」の別冊として池上彰さんが語るバージョンも発売され、関連作含めさらなる盛り上がりが期待されます。
ちなみに10月28日に若干の盛り上がりがありますが、これは宮崎駿さんの次回作タイトルが発表された日です。
それでは続いて、『漫画 君たちはどう生きるか』の読者層を見てみましょう。
『君たちはどう生きるか』を座右の書としている人も多いでしょうが、読者層のピークは40代。まさにコペルくんくらいの年齢の子どもを持つ世代にとっては「子どもに読ませたい」一冊であり、自分の若い頃の感動を思い出す一冊になっていることでしょう。
併読本には、最近のベストセラーが並んでいます(2017年9月以降に購入したもの)。
話題になった時期が近かったこともあり、カズオ・イシグロさんの著作とあわせて購入している方も多いようです。そして皇后陛下が誕生日に際して『日の名残り』へのお言葉を発表されたのが10月20日だったため、著作の中でも特に『日の名残り』との併読率が高めになっています。
もっとも売れているのはこの漫画版ですが、小説版・岩波文庫版をあわせて買っている方も多くいらっしゃいます。また『キングダム』や『3月のライオン』などコミックとあわせて買う方も多いので、書店員さんは新刊や話題のコミックを近くに置いておくのもおすすめです。
年末年始に向け、コペルくんのまっすぐな眼差しは、さらに多くの人の心を揺さぶることになるでしょう。
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