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約100万人のユーザーを抱え、3,000万件以上の感想・レビューが投稿されている「読書メーター」。
このランキングでは、そんな読書メーターで「今注目が集まっている本」を紹介します! “次に読む一冊”を見つける参考にどうぞ。
『13階段』や『ジェノサイド』で知られる高野和明さんの11年ぶりの新作、『踏切の幽霊』が第1位となりました。都会の片隅にある踏切で撮影された、一枚の心霊写真。同じ踏切では、列車の非常停止が相次いでいました。雑誌記者の松田は、読者からの投稿をもとに心霊ネタの取材に乗り出しますが、やがて彼の調査は幽霊事件にまつわる思わぬ真実に辿り着きます。
読書メーターユーザーからは、次のようなレビューが寄せられました。
下北沢三号踏切で撮影された若い女性の霊。この踏切近くでは1年前に女性が殺されていて、犯人は逮捕されたものの、女性の身元はいまだ不明。妻を亡くし仕事に熱意を失った雑誌の契約記者松田が担当するこの幽霊企画は、やがて女性の身元探しになり、驚く展開になっていく。『ジェノサイド』から11年ぶりの新作、いやあ面白かった。「信じる、信じないといった知性の働きとは別に、人間の根源的な部分には、超自然の怪異を怖れる本能が潜んでいるよう」とは本書のなかの一文ですが、怪異の中に愛と悲しみを目一杯盛り込んだ面白本でした。
(ユーザー名:タツ フカガワ)
久しぶりの高野和明さん!小田急線・下北沢の踏切で撮影された1枚の心霊写真。その踏切では深夜の非常停止が相次いでいた。妻を亡くした喪失感から立ち直れない雑誌記者の松田は「心霊ネタ」の取材に乗り出し、たどり着いた真実。作り笑顔しか作れなかった髪の長い女の悲しい人生、記事に出来ない事実に秘められたこと。とても切ないが、読みやすい文章に引き込まれ一気に読了。
(ユーザー名:ゆみねこ)
静かに沁み渡る一冊。孤独な雑誌記者が踏切にまつわる事件の裏側、一人の女性の素性に迫る物語。午前1時03分の電話、幽霊の信憑性は…。深夜の遮断機の音を思わせる淋しさ纏う怪異、息遣いはなかなかのゾクッとくる描写。次第に素性と孤独が紐解かれていく過程はスピードとせつなさが止まらない。記者よりも人として、自分の死生観、孤独を重ね合わせるかのように彼女の奥深い場所に触れ、想いを掘りおこし埋葬するかのような様は静かに時に強くせつなく沁み渡る。辿り着いた物語の終着駅がまた良い。優しさもせつなさも怪異も含めて全てが良い。
(ユーザー名:ちょろこ)
※集計期間:2023年1月1日(日)~31日(火)期間中の本の登録数・レビュー投稿数を集計。
第1位『踏切の幽霊』(高野和明/文藝春秋)
第2位『ばくうどの悪夢』(澤村伊智/KADOKAWA)
第3位『教誨』(柚月裕子/小学館)
第4位『タイム・オブ・デス、デート・オブ・バース』(窪美澄/筑摩書房)
第5位『罪の境界』(薬丸岳/幻冬舎)
第6位『秋雨物語』(貴志祐介/KADOKAWA)
第7位『名探偵のままでいて』(小西マサテル/宝島社)
第8位『特殊清掃人』(中山七里/朝日新聞出版)
第9位『光のとこにいてね』(一穂ミチ/文藝春秋)
第10位『なんとかしなくちゃ。 青雲編』(恩田陸/文藝春秋)
第2位は、澤村伊智さんが2015年から手掛けている「比嘉姉妹」シリーズの最新作、『ばくうどの悪夢』でした。「眠ったら、死ぬ」というキャッチコピーの本作は、現実に干渉する悪夢に苦しめられて謎の死を遂げるというホラー作品。夢に殺されたのか。次に死ぬのは誰か。なぜ、悪夢を見るのか。シリーズ史上最恐にして最悪の怪異です。
“ちょっとした勘違いと、ちょっとした正義感が引き起こしてしまった悲劇”――イヤミスの旗手・真梨幸子の『さっちゃんは、なぜ死んだのか?』が第1位に|読書メーター 2022年12月の注目本ランキング