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このランキングでは、そんな読書メーターで「今注目が集まっている本」を紹介します! “次に読む一冊”を見つける参考にどうぞ。
『スモールワールズ』が第9回静岡書店大賞(小説部門)、第43回吉川英治文学新人賞を受賞し、第165回直木賞の候補作となった一穂ミチさんの最新作『光のとこにいてね』が第1位となりました。古びた団地の片隅で出会った二人の少女の、四半世紀にわたる愛と友情を描いた物語です。読書メーターユーザーからは、次のようなレビューが寄せられました。
7歳の時に出会った二人の少女はお互いに自分にない魅力を相手に見つけて惹かれ合う。貧しく孤独でもピュアな心の果遠。裕福で傷つきやすく繊細な心の結珠。二人の視点が交互の章で描かれ機敏な感情の揺れが鮮やかで直ぐに感情移入できた。愛する友だから相手の全てを知りたい。でも内に秘めた心の傷を吐露するのが怖く知られたくない。毒親の呪縛に苦しむ二人の駆け引きはスリリングで全く息を抜けない。お互いの明るく幸せになって欲しい。いつも「光のとこにいてね」と願う気持ちが心に響き、優しく光り輝くようなラストに希望が見えた。
(ユーザー名:シャコタンブルー)
こういうのを目が離せなくなると言うのだろう。幼いときに古い団地で偶然に出会ったふたり。環境の違い過ぎるふたりは本来なら出会うことはなかった。そして再会は繰り返される。出会うべき(原文ママ)して出会ったふたりを単に運命の人と呼ぶのは、薄っぺらで陳腐にさえ思えてしまう。じゃあ何なの?と問われてもうまく答えられないけれど、久しぶりに胸がきゅうっとしたな。ふたりの間に流れる尊い何かは誰にも奪えない。
(ユーザー名:itico)
幼き日に運命の出会いを果たした結珠と果遠がその後の人生に再会と別れを見るこの作品。そんな作品では、美しい比喩表現の数々で彩られた物語の中に、全く異なった境遇の元に生きる二人の女性の四半世紀の物語が描かれていました。まさしく“毒親”という言葉で表現される大人たちが主人公たちを苦しめるこの作品。それぞれに訪れる様々な苦境の中に、今の世の生きづらさも感じさせもするこの作品。繊細に描かれる心の機微の描写の中に、何もかもが正反対でいて、だからこそ惹かれ合う二人の想いが静かに浮かび上がるのを感じた印象深い作品でした。
(ユーザー名:さてさて)
※集計期間:2022年11月1日(火)~30日(水)
期間中の本の登録数・レビュー投稿数を集計。
第1位『光のとこにいてね』(一穂ミチ/文藝春秋)
第2位『川のほとりに立つ者は』(寺地はるな/双葉社)
第3位『リバー』(奥田英朗/集英社)
第4位『ばくうどの悪夢』(澤村伊智/KADOKAWA)
第5位『月の立つ林で』(青山美智子/ポプラ社)
第6位『方舟』(夕木春央/講談社)
第7位『機械仕掛けの太陽』(知念実希人/文藝春秋)
第8位『無人島のふたり―120日以上生きなくちゃ日記―』(山本文緒/新潮社)
第9位『老人ホテル』(原田ひ香/光文社)
第10位『シーソーモンスター』(伊坂幸太郎/中央公論新社)
第2位には、寺地はるなさんの『川のほとりに立つ者は』がランクインしました。カフェの若き店長・原田清瀬は、ある日、恋人の松木が怪我をして意識が戻らないと連絡を受けて松木の部屋を訪れるも、彼が隠していたノートを見つけたことで、恋人が自分に隠していた秘密を少しずつ知ることになります。
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