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  • 映画『シン・ゴジラ』のファンは、どのような本を買っているのか?

    2016年08月17日
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    古幡瑞穂(日販 販売企画部)
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    ゴジラを飛ばした男
    著者:坂野義光
    発売日:2016年07月
    発行所:フィールドワイ
    価格:1,500円(税込)
    ISBNコード:9784802130271

    ゴジラ関係・映画関係の本が目立つ中、注目度の高かった関連書です。稀代の映像クリエイターと言われる坂野義光の自伝ですが、この方は御年85歳。その年齢にも関わらずまだまだ探求心は尽きることなく、新たな企画を打ち出しているのだそうです。そもそもゴジラが飛んだことがあったということ自体にも驚かされますが、ファンならずとも気になる作品でした。

    ルポニッポン絶望工場
    著者:出井康博
    発売日:2016年07月
    発行所:講談社
    価格:907円(税込)
    ISBNコード:9784062729567

    外国人留学生、実習生などが置かれている現代の奴隷労働の実態に切り込んだルポが注目されています。日本礼賛のテレビ番組が数多く放映される一方で、国内のこういった実態にはメスが入ることはありません。移民がほとんどいない代わりに、留学・実習といった名目で日本に来る人々は、いったいこの国にどのようなイメージを抱いて帰国することになるのでしょう。考えさせられる一冊です。

    日本水没
    著者:河田恵昭
    発売日:2016年07月
    発行所:朝日新聞出版
    価格:886円(税込)
    ISBNコード:9784022736710

    小松左京の『日本沈没』ではありません。かの古典名作で描かれた日本壊滅の様子が殺人級の大雨によってもたらされると著者は説いています。夏の季語となっていた夕立という風情のある言葉は、ゲリラ豪雨というなんとも凶暴な言葉に成り代わってしまいましたが、これも地球温暖化に端を発したものとのこと。世界一水害に弱い都市・東京が災害を食い止めることができるのか、防災観点から知っておきたいことが詰まっています。

    秘密解除ロッキード事件
    著者:奥山俊宏
    発売日:2016年07月
    発行所:岩波書店
    価格:2,052円(税込)
    ISBNコード:9784000245265

    今、未曾有の「田中角栄ブーム」が到来中です。書店店頭にも角栄の顔写真を使った書籍が多く並んでいる状態で、まだまだこれから増加しそうな勢いです。そんな中、戦後最大の疑獄事件といわれるロッキード事件の新資料を読み解くこちらが注目を集めています。事件から40年が経過し、新たな真実が見えてくることはあるのでしょうか?

    戦争の社会学
    著者:橋爪大三郎
    発売日:2016年07月
    発行所:光文社
    価格:886円(税込)
    ISBNコード:9784334039301

    『ゴジラとエヴァンゲリオン』読者が今月読んでいる本第1位となったのがこちら。「人類はこれまでも戦争とともに歩んできており、平和に生きるためにも戦争の知識を持たねばならない」と著者は宣言しています。確かに戦後日本には、戦争から目を背けるという風潮もありました。戦争を肯定することと、目を背けることは異なり、知っておくべき「戦争」をこの本は読者に語りかけています。今後さらに話題になりそうな銘柄です。

    *

    新書ということもあって新書のあわせ買い率が高く、中でも戦争関連のテーマの本が目立つのが特徴でした。歴代のゴジラが背負ってきた核・戦争といったテーマがこの「シン・ゴジラ」を通じて若い世代に伝えられ、関連作品によって深く読み解かれていくのかもしれません。

    エヴァからゴジラへ、ゴジラからエヴァへ、世代とファンが混じり合っていくのを見るのも、これからの楽しみです。


    (「HONZ」で2016年8月10日に公開された記事に、一部編集を加えています)

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