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  • 怖ろしくも美しい。哀しくも愛おしい――小野不由美が描く怪談文芸『営繕かるかや怪異譚 その参』が第1位に|読書メーター 2022年9月の注目本ランキング

    2022年10月10日
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    ほんのひきだし編集部
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    約100万人のユーザーを抱え、3,000万件以上の感想・レビューが投稿されている「読書メーター」。

    このランキングでは、そんな読書メーターで「今注目が集まっている本」を紹介します! “次に読む一冊”を見つける参考にどうぞ。



     

    先月注目を集めた本【第1位】はこちら!!

    営繕かるかや怪異譚 その参
    著者:小野不由美
    発売日:2022年08月
    発行所:KADOKAWA
    価格:1,870円(税込)
    ISBNコード:9784041117217

    小野不由美さんが描く怪談文芸『営繕かるかや怪異譚 その参』が第1位でした。

    本作は、建物にまつわる怪現象を解決するため、営繕屋・尾端が死者に想いを巡らせ、家屋に宿る気持ちを鮮やかに掬いあげる物語。読書メーターユーザーからは、次のようなレビューが寄せられました。

    落ち着く一冊。営繕の尾端さんが“折り合い“へと導くシリーズ。今作も物や情念の怪異でじっくり、じわりぞくりと読ませてくれた。処分したり、逃げ出したりするのはある意味容易い。でもそれはその場限り。きっと心は落ち着かないはず。それを丸ごと見越した上で心が落ち着く方向へと助言をしてくれる尾端さんの柔らかい言葉一つにこちらまで心が落ち着く。暗闇をいきなり眩しく照らすのではなく徐々に淡い光で照らし導く言葉の選び方も良い。そして何より主人公たちが淡い気づき、自分たちなりの折り合いの光を得て、馴染む、そのさまが良い。

    (ユーザー名:ちょろこ) 

    古い城下町の家々に纏わる怪異譚集も三冊目。今回も端正な文章で綴られた静かな怖さが纏わりつくような話を一篇一篇じっくりと堪能した。日常において最も身近な存在である家。それだけに長い年月で積み上げられた結びつきがあり、そこには容易に離れられない想いが存在する。あるはずのない音や気配が露わになるのは相手の負の情念がもたらすもの。でもむしろ露わになったのは自分自身を見失っていたこと。固執、確執、蟠り。営繕屋の尾端によって凝り固まった心がほぐされる。その家でどう暮らしたいかという素の心持ちの大切さを改めて感じた。

    (ユーザー名:buchipanda3)

     

    読書メーター 2022年9月の注目本ランキング

    ※集計期間:2022年9月1日(木)~30日(金)
    期間中の本の登録数・レビュー投稿数を集計。

    第1位『営繕かるかや怪異譚 その参』(小野不由美/KADOKAWA)
    第2位『小説 すずめの戸締まり』(新海誠/KADOKAWA)
    第3位『そして誰もゆとらなくなった』(朝井リョウ/文藝春秋)
    第4位『新! 店長がバカすぎて』(早見和真/角川春樹事務所)
    第5位『あの子とQ』(万城目学/新潮社)
    第6位『嫌いなら呼ぶなよ』(綿矢りさ/河出書房新社)
    第7位『とんこつQ&A』(今村夏子/講談社)
    第8位『夜の道標』(芦沢央/中央公論新社)
    第9位『財布は踊る』(原田ひ香/新潮社)
    第10位『方舟』(夕木春央/講談社)

    第4位の『新! 店長がバカすぎて』は、本と書店を愛する人たちから熱い支持を得ている早見和真さんの『店長がバカすぎて』の続編です。主人公・京子が働く武蔵野書店吉祥寺本店に、宮崎の山奥に異動になっていた山本元店長が、3年ぶりに復帰するところから物語は始まります。

    新人作家の才能に出逢い、打ちのめされ、好きな作家の新作に心躍らせる京子たち。本や書店を取り巻く環境がますます厳しくなる中、書店員をはじめとする本を愛する人々の、時には泣き、笑い、怒り、日々戦う姿が描かれています。

    『店長がバカすぎて』第2幕が発売!本と書店を愛する人必読の希望の物語

     

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