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2月8日(火)、村上春樹さんの同名短篇小説を原作にした映画「ドライブ・マイ・カー」(監督・脚本:濱口竜介さん)が、第94回米アカデミー賞において、日本映画では初の「作品賞」を含む全4部門にノミネートされました。
本作は、2021年7月に開催された第74回カンヌ国際映画祭で、日本映画初となる脚本賞を含む4冠を獲得。さらに2022年1月には、日本映画として62年ぶりとなるゴールデングローブ賞の非英語映画賞を受賞するなど、世界中の映画ファンから注目される作品です。さらに、今回のノミネートによって、映画ファン以外からも熱い視線が注がれています。
この熱量は、本作の原作が収録されている村上春樹さんの短篇小説集『女のいない男たち』にも伝播しています。
『女のいない男たち』は、原作となった「ドライブ・マイ・カー」ほか全6篇を収録。
村上春樹さんの本ということもあり、以前から比較的手に取られる作品ではありましたが、2021年8月の映画上映をきっかけに売上を大きく伸ばしました。
さらに、ゴールデングローブ賞受賞とアカデミー賞のノミネートによりその勢いは増し、2月15日(火)時点で、2月期の売上は映画が公開された2021年8月に迫る勢いです。
映画には、短編集に収録された「シェエラザード」などの要素も含まれているので、本書を読むことでより映画を楽しめるはずです。
また、「ドライブ・マイ・カー」の劇中劇として上演されるロシアの劇作家・チェーホフの戯曲『ワーニャ伯父さん』も、『女のいない男たち』の売れ行きに沿うように手に取られています。
西島秀俊さんが演じる「ドライブ・マイ・カー」の主人公・家福(かふく)は、絶望に耐えて生きなくてはならないワーニャの中に自身を見い出しながら、秘密を抱えて亡くなった妻への喪失感とやるせない気持ちを昇華させていきます。
「ドライブ・マイ・カー」は、今回のノミネートにより上映館数が増えています。これから映画館で観ようと思っている人も、また一度観た人も、原作本や劇中作品を読んでみることで、自分だけの映画体験が得られるかもしれません。
米アカデミー賞の授賞式は3月28日(月)です。
「ほんのひきだし」では、文喫 六本木で開催されていた展示「ある映画のための補助線 映画『ドライブ・マイ・カー』をめぐる複数の本」で、監督の濱口さんが選んだ10冊の本を濱口さんのコメント付きで紹介しています。こちらの記事もぜひ読んでみてください。
出演:西島秀俊、三浦透子、霧島れいか/岡田将生
原作:村上春樹「ドライブ・マイ・カー」
(短篇小説集『女のいない男たち』所収/文春文庫刊)
監督:濱口竜介
脚本:濱口竜介、大江崇允
音楽:石橋英子
公式サイト:https://dmc.bitters.co.jp/
©2021 『ドライブ・マイ・カー』製作委員会
【ストーリー】
舞台俳優であり、演出家の家福悠介。彼は、脚本家の妻・音と満ち足りた日々を送っていた。しかし、音はある秘密を残したまま突然この世からいなくなってしまう――。2年後、演劇祭で演出を任されることになった家福は、愛車のサーブで広島へと向かう。そこで出会ったのは、寡黙な専属ドライバーみさきだった。喪失感を抱えたまま生きる家福は、みさきと過ごすなか、それまで目を背けていたあることに気づかされていく…。