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1月から3月は、就職活動関連書の販売ピークです。本記事では、売場メンテナンスの参考として、採用市場のトレンドや注目の書籍をご紹介します。
企業は2019年から流行した新型コロナウイルスの感染拡大を契機に、新たな採用活動のノウハウを蓄積。2022年度は前年度と同様、オンラインによる採用を進めながら、時と場合によって従来のリアルな活動も併用するように、Webと対面を戦略的に使い分ける動きが見込まれます。
学生にとってはこうしたトレンドに加え、コロナ禍により在学中の活動が制限されていたこともあり、学生時代に力を入れたことが少ない、伝えられないといった悩みもあります。こうしたなか、企業、学生双方から求められる本にはどういった傾向があるのでしょうか。
2020年12月~2021年11月の売上データから、就職活動の関連書がどのように売れるのかを見てみましょう。
▲就職活動関連書ジャンル別売上構成比(調査期間:2020年12月~2021年11月、日販POS調べ)
関連書を内容ごとに「適性検査」「一般常識」「就職活動」「自己分析」「論作文」「履歴書」「業界研究」「面接」の8ジャンルに分類し、月別のPOS売上金額を抽出。上のグラフはその構成比を示したものです。SPIなどの「適性検査」ジャンルは、全体売上の半分を超える54.0%。以下、「一般常識」(13.1%)、「就職活動」(10.5%)、「自己分析」(8.9%)、「論作文」(4.1%)、「履歴書」(4.1%)、「業界研究」(2.7%)、「面接」(2.5%)の順に続きました。
▲就職活動関連書 ジャンル別・月別売上推移(調査期間:2020年12月~2021年11月、日販POS調べ)
なお、昨年の月別のジャンル別売上推移をみると「一般常識」ジャンルは、7~9月のインターンシップ期間に向けたエントリーや準備期間にあたる6月に、もっとも売上を伸ばしています。
1.新たな「働き方」・世界のトレンドを知る──ジャンルを超えた展開も──
学生にとって就職活動の期間は、それまで以上に社会との関わり方や自身のキャリアを考える時期です。企業側も「どのような観点で物事を考えているか」という、学生の持つビジョンを見極めています。
業界研究のみならず、「働き方改革」「パラレルキャリア」「FIRE」「SFプロトタイピング」など、新たな生き方・働き方に関するタイトルや、「カーボンニュートラル」や「エシカル消費」などSDGsに関するビジネス・実用ジャンル本の併売をおすすめします。
2.「ニューノーマル」の就職活動で問われる「コミュニケーション能力」を磨く関連書
23年卒は、学生生活の半分以上をコロナ禍で過ごしてきた人がほとんど。授業はオンラインが中心で、部活・サークル活動が制限された中、学生時代に力を入れたこと、いわゆる「ガクチカ」について書けることが少ないという悩みがあるといいます。
そんな厳しい条件のもとでも自分なりに取り組んだこと、考えてきたことをしっかり伝え、最大限の自己アピールをするためには、エントリーシートや履歴書に必要な「書く」力と、対面はもちろん得られる情報が限られるWeb上のコミュニケーションにも対応できる「話す」、「聞く」力が不可欠です。これらの能力を磨く関連書の展開がおすすめです。
すでに多くの書店様で常設されている「就職活動」コーナーでも、「こんな本もあるんだ!」という出合いがあるかもしれません。
(「日販速報」2022年1月24日号より抜粋)