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  • 2022年度新学期商戦のポイントを解説!キーワードは「高校学参の新旧併売」「家庭学習ニーズへの対応」

    2021年12月21日
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    日販 仕入部 書籍仕入課 木村
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    2020年から続くコロナ禍の影響で、学校の授業形態や学習参考書を取り巻く環境は大きく変わってきました。加えて、2022年度には高校の学習指導要領の改訂があり、2024年度にかけて新課程への改訂が年次進行で行われます。

    そういった環境の変化の中、書店における学参売場はどう作っていけばいいのでしょうか。2021年度までの売上実績を紐解きながら、2022年度の傾向を予測し、売場づくりに必要なポイントを解説いたします。



     

    2020~2021年度 新学期商戦の振り返り

    2021年度の実績を見ていく前に、まずコロナ禍で大きく変動した2020年度の新学期商戦について振り返ります。

    2020年2月末に政府から出された学校休校要請の直後、小学学参を中心に学参全体の売上が大きく伸びました。また新学期が始まる4月に最も売れる辞典などの商材は、売上ピークが6月頃までずれ込むイレギュラーな動きが見られました。緊急事態宣言の影響により休業を余儀なくされる書店様もありましたが、全体では前年差プラス7.3Pと好調な結果となりました。

     

    2021年 学参ジャンル別総括

    上記を踏まえて、2021年度新学期(2~5月)の売上実績を見ていきます。

    学参ジャンル全体では、前年差はマイナス11.5Pと減少しましたが、コロナ禍以前の2019年度との比較ではマイナス5.0Pとなっています。このポイント差は、2020年度に伸びた小学学参の反動が大きく出た一方で、今年度改訂の中学学参や、語学検定の再開の影響を受けた高校学参ジャンルが前年を上回ったことが要因に挙げられます。

    なお、2020年度は緊急事態宣言直後と学校休校が相次いだ4月初週の2度、売上が伸びましたが、2021年度は例年と同じく、新学期が始まる4月初週~中旬にピークが戻りました。

    また、語学ジャンルでは、2020年度に中止や延期が相次いだ語学検定が再開し、3~5月の売上上位銘柄に英検・TOEIC対策書が多く入りました。辞典は前年差では厳しい状態が続きながらも、2020年度の休校影響が大きかった4月で前年を大きく上回り、全体でプラス8.6Pとなりました。

    ◆小学学参
    学校休校の影響で大きく売上が伸びた2020年度との比較では、マイナス40.5Pと大きく減少しましたが、2019年度との比較では3.4Pのプラスとなっています。売上のピークは例年と同じ3月末~4月上旬に戻り、その後は回復に向かいました。コロナ禍で需要が増えた家庭学習向けの総復習ドリルは、引き続き売上をけん引。近年人気が高まっている中学受験の案内書も好調でした。

    ◆中学学参
    2021年度は学習指導要領改訂の影響で新刊・改訂版の刊行時期が後ろ倒しとなったものの、前年比で大きく伸びたジャンルです。新学期が始まった4月2週目~5月にかけてピークを迎え、全体で15.6Pのプラスと好調。授業スケジュールが例年通りに戻り、定期テスト対策本の需要も復活した効果で、5月は前年差56.5Pのプラスとなりました。小学学参と同様に、家庭学習用のドリル・ワークの高需要が続きました。

    ◆高校学参・語学書
    語学書を含む高校学参は、全体でプラス4.7Pと回復しました。売上時期は小学学参と同じく4月上旬がピーク。大学入学共通テスト施行後初の新学期商戦となり、過去問や対策本の売上も伸びました。さらに、学校推薦型選抜(旧推薦入試)や、総合型選抜(旧AO入試)の志望枠が年々大きくなっている影響で、面接・小論文対策書や高校1・2年生の日常学習ものの売上が伸びています。

    TOEICや英検が2021年度は再開し、対策書の需要が復活しました。語学関連ではそのほか、海外旅行は依然難しい状況ながらもアーティストやドラマの影響で、韓国語学習の需要が高まっています。

    ◆辞書・辞典
    2020年度は学校が再開した6月に売上時期がずれ込みましたが、今年度は例年通りの4月にピークが戻りました。その結果4月単月の前年比では79.8Pの大幅プラス、2月~5月累計でも前年比8.6Pのプラスとなりました。定番の売れ筋銘柄が安定して売上を支えています。

     

    2022年度新学期商戦のキーワードは?

    来年度の大きなキーワードは、高校の学習指導要領改訂です。ここから2024年度にかけて新課程への改訂が年次進行で行われるため、新刊刊行点数の大幅な増加が見込まれます。注意が必要な点は、新1年生は新課程、新2・3年生は引き続き現行課程の履修・大学入試となることです。

    現行課程で行われる2023年度入試までは、現行版・新課程対応版両方の需要が見込めるため、店頭での併売が必要になります。2月以降は帯やロゴに「現行版」「新課程対応版」とそれぞれ記載される予定ですので、該当の商品は現行版の抜き取り返品をされないようご注意ください。

     

    2022年度 学参売上動向予測

    ◆小学学参
    家庭学習需要の高まりにより、安定した売上が見込まれるジャンルです。2022年度は例年通り、3月中旬から4月にかけてピークが来ると考えられます。土日を中心に、5月の連休後まで需要が続くことが予想されます。授業のサポートとして、家庭学習のニーズは高い傾向にあります。

    3月は総復習ドリル、4月は教科書準拠商品や日常学習ものの売上が期待できますので、需要を逃さないようにシリーズごとにまとめた展開をお願いいたします。好調な中学受験案内や、2021年度に小中学校で必修化されたプログラミング学習関連書の売上も期待できます。早めの販売準備をお薦めいたします。

    ◆中学学参
    2021年度の改訂により新刊・改訂版が多く刊行された中学学参も、引き続き高需要が期待されます。改訂初年度は売上ピークが4~5月と例年より遅れましたが、来年度は学校が始まる4月上旬に売上の山が戻ってくる見込みです。

    また、2020年度以降、受験対策本の購入時期が早まる傾向が見られます。地域ごとの実績を参考に、地域別の高校受験案内の展開をお願いいたします。

    ◆高校学参
    2022年度入学の新1年生を対象に新学習指導要領が実施されるため、最も期待できるジャンルです。売上のピークは例年より後ろ倒しになる見込みですのでご注意ください。ポイントは現行課程版・新課程版の併売が必要な銘柄があることです。各出版社様のご案内や、帯の記載をご確認ください。

    また、コロナ禍の影響で2020年度に顕著に見られた受験生の地元志向や学校推薦型選抜(旧推薦入試)、総合型選抜(旧AO入試)の需要は引き続き高く、定期テスト等の日常学習、小論文や面接対策の商品も売上が期待できます。

    語学ジャンルではTOEIC・英検等の語学検定が再開。共通テストへの導入は見送りとなりましたが、独自方式で英語民間試験を導入する大学が増えた影響もあり、人気が回復しています。TOEICは受験料の値上げ(2021年10月実施回より、6,490円→7,810円)が行われましたが、引き続き高需要が期待できます。

    ◆辞書・辞典
    売上時期は例年通りの見込みです。5月末にかけて安定した売上が見込めるため、ピーク時まで売場展開の維持がお薦めです。

    (「日販速報」2021 12/27号より抜粋)




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