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  • “本当にこれが同じ日本の話なのか?” 「無戸籍」15人が暮らすユートピアと殺人未遂事件の関係とは?:読書メーター 2021年11月の注目本ランキング

    2021年12月10日
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    ほんのひきだし編集部
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    日本最大級の書評サイトで「今 注目度No.1の本」

    約100万人のユーザーを抱え、2,800万件以上の感想・レビューが投稿されている「読書メーター」。

    このランキングでは、そんな読書メーターで「今注目が集まっている本」を紹介します! “次に読む一冊”を見つける参考にどうぞ。

     

    先月注目を集めた本【第1位】はこちら!!

    トリカゴ
    著者:辻堂ゆめ
    発売日:2021年09月
    発行所:東京創元社
    価格:1,980円(税込)
    ISBNコード:9784488028497

    殺人未遂事件の容疑者が「無戸籍」という長編ミステリー『トリカゴ』が第1位でした。強行犯係の里穂子と特命対策室の羽山が手を組み、執念の捜査の末に辿り着いた真相とは……?

    読書メーターユーザーからは、次のようなレビューが寄せられました。

    殺人事件の容疑者が無戸籍。捜査を進めるうちに過去の『鳥籠事件』との共通点が・・露わになる社会の暗部に足元がガラガラと崩れる思いの作品だった。

    『無戸籍』という言葉を知ったのはいつだったろう。自分を証明する手立ての『戸籍』が当たり前だと思っていた事が決して当たり前の事ではないのだ。多くの絶望と僅かな希望の狭間で、人はそれでも生きている。「私たちは存在しない人間」と、認識させられ〈ユートピア〉に暮らす疑似家族に守られその先にあるのは?

    この場所の始まりが戦争がもたらしたのなら、やっぱりそれも哀しすぎる現実だ。

    (ユーザー名:いつでも母さん)

    本当にこれが同じ日本の話なのか? 戸籍が無い理由や事情なども描かれている。戸籍が無くても住民票は取れるところもある。戸籍、住民票が無くても国民健康保険と国民年金にも入れるらしい。生活保護も受給できる。

    勉強になる! 支援をしているNPO法人の園村さんが神! カッコいい。コミュニティの閉鎖性と世間の無関心が引き起こした悲劇だった。犯人の母親は一見普通に見えるかもしれないが狂ってると思う。光が射す終わり方。里穂子が忙しすぎて旦那さんが家で仕事しながら家事・育児をカバーしてくれていて、良い旦那さんだった。

    (ユーザー名:美紀ちゃん)

    ある工場内の建物の一角に、戸籍のない人たち15人が住むユートピア。無戸籍のため、様々な制限のある悲惨な生活を強いられていたが、本人たちは生きるために外部との接触を避け、慎ましく生活していたことに驚愕・・。

    無戸籍であっても住民票と保険証を得る事ができる、と本を読んで初めて知った。殺人未遂事件と、25年前の鳥籠籠城事件の2つがうまく絡み、読み応え満載の本であった。

    (ユーザー名:吉子)

    第2位には、福井県立図書館がWebで情報を発信していた「本のタイトルの覚え違い」をまとめた『100万回死んだねこ 覚え違いタイトル集』がランクインしました。

    100万回死んだねこ
    著者:福井県立図書館
    発売日:2021年10月
    発行所:講談社
    価格:1,320円(税込)
    ISBNコード:9784065258927

    Webでは2007年から公開が始まり、「おい桐島、お前部活やめるのか?」や「人生が片付くときめきの魔法」など、シュールでおもしろい覚え違いが、たびたび話題になっていました。

    本書は、そのなかから秀逸な「覚え違いタイトル」を厳選。「覚え違い」を文字通りに表したイラストを添付し、ページをめくると「正しい書誌情報」と「司書さんによるレファレンス」が現れて……という仕掛けになっています。

    ほかにも、「とんでもなくクリスタル」「わたしを探さないで」「下町のロボット」「蚊にピアス」などなど……。正式な書名がわかるとクスリと笑えて、クイズとしても楽しめる作品となっています。

     

    読書メーター 2021年11月の注目本ランキング

    ※集計期間:2021年11月1日(月)~30日(火)。
    期間中の本の登録数・レビュー投稿数を集計。

    第1位『トリカゴ』(辻堂ゆめ/東京創元社)
    第2位『100万回死んだねこ 覚え違いタイトル集』(福井県立図書館/講談社)
    第3位『赤と青とエスキース』(青山美智子/PHP研究所)
    第4位『ミカエルの鼓動』(柚月裕子/文藝春秋)
    第5位『アルテミスの涙』(下村敦史/小学館)
    第6位『星を掬う』(町田そのこ/中央公論新社)
    第7位『嫌われた監督 落合博満は中日をどう変えたのか』(鈴木忠平/文藝春秋)
    第8位『母親からの小包はなぜこんなにダサいのか』(原田ひ香/中央公論新社)
    第9位『ポーの一族 秘密の花園(2)』(萩尾望都/小学館)
    第10位『本が紡いだ五つの奇跡』(森沢明夫/講談社)

     

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