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  • 殺人犯の子どもは“悪魔の子”なのか? 読み手の心を揺さぶる『まだ人を殺していません』:読書メーター 2021年7月の注目本ランキング

    2021年08月07日
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    ほんのひきだし編集部
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    日本最大級の書評サイトで「今 注目度No.1の本」

    約100万人のユーザーを抱え、2,700万件以上の感想・レビューが投稿されている「読書メーター」。

    このランキングでは、そんな読書メーターで「今注目が集まっている本」を紹介します! “次に読む一冊”を見つける参考にどうぞ。

     

    先月注目を集めた本【第1位】はこちら!!

    まだ人を殺していません
    著者:小林由香
    発売日:2021年05月
    発行所:幻冬舎
    価格:1,870円(税込)
    ISBNコード:9784344037953

    第1位は、小林由香さんのミステリ『まだ人を殺していません』。

    事故で娘を失った過去を持つ翔子は、亡くなった姉の形見である息子・良世を預かり育てることになります。しかし良世の父は殺人犯で、不気味な行動も多く「悪魔の子」と噂されています。

    本書を読んだ読書メーターユーザーからは、次のようなレビューが寄せられました。

    尊敬していた姉は早世し、その夫が殺人犯として逮捕され、甥っ子の良世を預かる事になった翔子……。

    「家族とは?」という大きなテーマに、被害者家族&加害者家族、いじめ問題、ネット社会の功罪など社会性をいつもながら盛り込んだ著者らしい内容は、今回も重いのにグイグイ読まされる。それは翔子の心情を丁寧に描いているのと、良世がミステリアスで哀しい存在だからだろう。

    「自分なら?」と考えさせられ、胸に迫るシーンも多く、台詞選びの妙と構成の巧さも光っていた。ミステリ要素は決して強くはないが、丁度良い塩梅になっていて楽しめた。

    (ユーザー名:しんたろー)

     

    人殺しの父親を持つことで“悪魔の子”と呼ばれ、また出生とともに迎えた喪失から“人を不幸にする”など責め立てられ……その痛々しい仕打ち故か、あるいは器質なのか、人に動物に対する残虐行為は目を覆うばかり……。

    それでも彼は『まだ人を殺していません』。それは確かだ……。直接も間接も問わない誹謗中傷に憤りつつ、一方で「この世界に同じ気持ちを抱えた仲間がいることを忘れないでください」と寄り添う存在があることにホッとする……。生まれてくる子に罪や選択肢はないのだから、少なくとも「あなたに出会えてよかった」と思える時代であって欲しい……。

    (ユーザー名:nobby)

     

    痛感の一冊。残虐な事件、薄気味悪さに最初、心はのらなかった。でも良作だった。

    掴めそうで掴めない悪魔の子と噂される良世の不快感しかない行動と言動。対する翔子の苦しみは血と涙でしかない。そして二人を取り巻く環境には怒り、哀しみしかない。どれだけのものを小さな身体と心に抱えもがいていたのか、全てが氷解した瞬間、言葉にならない感情が涙となって満ち溢れた。

    言葉、眼差し一つが愛に姿を変え、子どもが外の世界での苦しみに日々立ち向かう鎧になっていることを痛感した。力強さと愛溢れるラストに涙と心を添えずにはいられない。

    (ユーザー名:ちょろこ)

     

    第2位は下村淳史さんの『白医』。ホスピスで起きた3件の“安楽死”を巡る医療ミステリーです。

    白医
    著者:下村敦史
    発売日:2021年05月
    発行所:講談社
    価格:1,760円(税込)
    ISBNコード:9784065231036

     

    第3位は第165回(2021年上半期)直木賞を受賞した澤田瞳子さんの『星落ちて、なお』。同日発表された直木賞、芥川賞受賞4作の中で、唯一のランクインとなりました。

    星落ちて、なお
    著者:澤田瞳子
    発売日:2021年05月
    発行所:文藝春秋
    価格:1,925円(税込)
    ISBNコード:9784163913650

     

    それぞれのレビューも、ぜひ読書メーターでチェックしてみてください。

     ※集計期間:2021年7月1日(木)~31日(土)
    期間中の本の登録数・レビュー投稿数を集計。

    第1位『まだ人を殺していません』(小林由香/幻冬舎)
    第2位『白医』(下村敦史/講談社)
    第3位『星落ちて、なお』(澤田瞳子/文藝春秋)
    第4位『雨夜の星たち』(寺地はるな/徳間書店)
    第5位『あんなに あんなに』(ヨシタケシンスケ/ポプラ社)
    第6位『神様の罠』(辻村深月、乾くるみ、米澤穂信、芦沢央、大山誠一郎、有栖川有栖/文藝春秋)
    第7位『予言の島』(澤村伊智/KADOKAWA)
    第8位『うらんぼんの夜』(川瀬七緒/朝日新聞出版)
    第9位『月下のサクラ』(柚月裕子/徳間書店)
    第10位『ランチ酒 今日もまんぷく』(原田ひ香/祥伝社)

     

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