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  • 「牧歌的なタイトルに油断してはならない」「ドキュメンタリーのようなリアルさで、読む者に容赦なく迫ってくる」:読書メーター 2021年2月の注目本ランキング 第1位は『羊は安らかに草を食み』

    2021年03月06日
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    ほんのひきだし編集部
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    日本最大級の書評サイトで「今 注目度No.1の本」

    約100万人のユーザーを抱え、2,600万件以上の感想・レビューが投稿されている「読書メーター」。

    このランキングでは、そんな読書メーターで「今注目が集まっている本」を紹介します! “次に読む一冊”を見つける参考にどうぞ。

     

    先月注目を集めた本【第1位】はこれだ!!

    2月の第1位は、宇佐美まことさんの『羊は安らかに草を食み』。東京で知り合った20年来の仲良し三人組、都築益恵(86歳)、持田アイ(80歳)、須田富士子(77歳)。認知症をきっかけに“最後の旅”に連れ出された益恵のとある秘密と、アイ、富士子の人生の転機が描かれた重厚なミステリーです。

    羊は安らかに草を食み
    著者:宇佐美まこと
    発売日:2021年01月
    発行所:祥伝社
    価格:1,870円(税込)
    ISBNコード:9784396636036

    「羊は安らかに草を食み」は、バッハ作曲のカンタータ「楽しき狩こそ我が悦び」(狩のカンタータ)第9曲のアリアのタイトルでもあります。

    いち早く読んだ読者は、この物語からどんなメッセージを受け取ったのか。レビューの一部をご紹介します。

    認知症が進む益恵の人生を遡り「つかえ」を探す旅。戦争末期のパートがとにかく凄まじく、まさしく地獄の日々。10歳の子どもが生き抜くために闘う姿は、戦争を忘れてはいけないと改めて読者に訴えかけている。終盤、明かされる真実と怒涛の展開には天晴れだ。消える記憶、忘れるということは益恵にとっては幸せなことかもしれない。ガツンと殴られたような気分。圧巻の一冊。

    (ユーザー名:きょん)

    人生の終焉に向かう女性たちが、認知症になった友とともに、その人生を辿り、魂を救う旅に出る。老婆三人の最後の旅は、どう帰結するのか。序盤から壮絶な時代背景に震えるほど苦しく、やりきれず、一気に読むことができないくらいだった。想像を絶する苛酷な人生は、俳句に凝縮され、鮮明に甦る。自分が生きるための選択、子を生かすための決断を誰も咎めることなどできない、戦争という地獄を生き抜いた少女時代は、まるでドキュメンタリーのようなリアルさで、読む者に容赦なく迫ってくる。牧歌的なタイトルとは裏腹に重い内容だった。

    (ユーザー名:もぐたん)

    まあさんが書いた俳句の意味を知った時、体の震えが止まらなかった。俳句が挿し絵のような効果を持ち、映像として読者の心に重い余韻を残す。最後の富士子の言葉が救いだ。「別れる辛さを思うより、この世で出会えたことを喜びましょう」
    人と出会い、歳を取ることが楽しみになった。

    (ユーザー名:みほ (o^-^o))

    これは宇佐美さんの代表作になるかも知れない。自分的No.1の『愚者の毒』とはタイプが異なるけれど、甲乙付け難い。認知症の老婆の過去を遡る旅。そこで明かされる過去。読んでいて苦しいくらいに心を抉られるのに、読むのを止められない。敗戦後の満州から引き上げる内容には思わず目を瞑りたくなる。生きる事・生き抜く事ってこれ程過酷で大変な事なんだ。

    (ユーザー名:TAKA)

    なお、ランキング トップ10は下記のとおりです。前回首位の『コロナと潜水服』が相変わらずの強さをみせているほか、今回は待望の新刊発売となった『よつばと!』、16年の連載に幕を下ろしたよしながふみさんの『大奥』など、漫画もランクインしました。

    それぞれのレビューも、ぜひ読書メーターでチェックしてみてくださいね。

    ※集計期間:2021年2月1日(月)~28日(日)。期間中の本の登録数・レビュー投稿数を集計。

    ・第1位『羊は安らかに草を食み』(宇佐美まこと/祥伝社)
    ・第2位『コロナと潜水服』(奥田英朗/光文社)
    ・第3位『教室に並んだ背表紙』(相沢沙呼/集英社)
    ・第4位『ぜんしゅの跫』(澤村伊智/角川ホラー文庫)
    ・第5位『あきない世傳 金と銀(10)合流篇』(高田郁/ハルキ文庫)
    ・第6位『よつばと!(15)』(あずまきよひこ/電撃コミックス)
    ・第7位『境界線』(中山七里/NHK出版)
    ・第8位『旅する練習』(乗代雄介/講談社)
    ・第9位『大奥(19)』(よしながふみ/ヤングアニマルコミックス)
    ・第10位『元彼の遺言状』(新川帆立/宝島社)

    それでは、次回もお楽しみに!!

     

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