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12月上旬に各社から発表された、2020年の年間ベストセラーランキング。写真集に関しては、どのランキングにおいても田中みな実さんの写真集『Sincerely yours…』が圧倒的な強さを見せました。
これまで写真集のプロモーションといえば、発売前後にタレント本人登壇のイベントが行なわれ、その模様がメディアに大きく取り上げられるのが定番。しかしコロナ禍下では、そもそもイベント実施自体が難しくなってしまいました。そんななかでの写真集商戦はどうだったのか、ランキングから振り返ります。
まずは「2020年 年間ベストセラー(写真集部門)」(日販調べ)トップ10の顔ぶれを見てみましょう。
出版社は数社にわたっているものの、トップ10の8割を乃木坂46の写真集が占めており(表中の★印)、うち白石麻衣さんの写真集が2冊ランクイン、その片方は2017年刊行の『パスポート』です。また、写真集は2,000円以上のタイトルも多いなかで、トップ10には比較的低い価格帯のものが多く並びました。
アイドルの写真集は、すでに書いたとおり「手渡し会」など発売イベントのほとんどが中止を余儀なくされています。今は、店舗限定特典などを複数の法人で展開することが多くなっているようです。
続いて、写真集の購買層を見てみましょう。上位10作品の読者の男女比、平均年齢をグラフにしてみました。
※調査期間:2019年12月1日~2020年11月30日(日販WIN+調べ)
唯一の男性写真集となった三浦春馬さんの『日本製+Documentary PHOTO BOOK 2019-2020』は、三浦さんが4年半かけて47都道府県のさまざまな“日本製”をめぐり、その魅力を再発見していく月刊「プラスアクト」(ワニブックス)の連載内容に、特装版としてドキュメンタリー写真集が加わったもの。三浦さんが30歳を迎えた2020年初めまでの約1年をおさめたもので、2020年7月の訃報を受け、「三浦さんの想いが詰まった作品を適正に読者へ届けたい」と大規模な重版が行なわれ、売上を伸ばしました。
女性読者がもっとも多く(約91%)、他作品とは男女比が逆転するかたちに。平均年齢が最も高いのもこの作品です。
ほかの作品はいずれも6割以上が男性読者ですが、そのなかで女性読者が多いのは、第1位『田中みな実1st写真集「Sincerely yours…」』、第6位『白石麻衣写真集「パスポート」』の2冊。それぞれの読者層をくわしく見てみましょう。
田中みな実さんの写真集は「全体として一般的な写真集に比べると女性読者が多く、20~50代まで幅広く支持されていることが読み取れるが、最も購入しているのは50代男性」、白石麻衣さんの写真集は「男女とも20代の読者が多い」ことがわかります。平均年齢に大きな開きがあるのは、このためです。
「女性から支持を集めるアイコン的存在であること」「広いファン層を取り込んでいること」が、写真集のベストセラー化においてポイントになるといえそうです。
海外での撮影が難しいなど、新型コロナウイルスの影響による課題は多いものの、2021年も新しい写真集が次々に発売されています。2021年のランキングを飾るのは、いったい誰の写真集になるでしょうか。