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  • 柳美里『JR上野駅公園口』英語版が全米図書賞を受賞 多和田葉子『献灯使』に続く快挙 5万部の重版決定

    2020年11月21日
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    ほんのひきだし編集部
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    柳美里さんによる小説『JR上野駅公園口』の英語版『Tokyo Ueno Station』(訳:モーガン・ジャイルズ)が、アメリカの権威ある文学賞「全米図書賞」の翻訳文学部門を受賞しました。

    今年で第71回を迎えた全米図書賞。1967年から1983年まで設けられていた翻訳部門では、1982年に『たけくらべ』(樋口一葉、訳はロバート・L・ダンリー)、『万葉集』(訳:リービ英雄)が受賞。

    2018年に新設された翻訳文学部門では、多和田葉子さんによる『献灯使』の英語版『The Emissary』(訳:マーガレット満谷)が、日本の文学作品として36年ぶりの受賞を果たしています。今回の受賞は、これに続く快挙です。

    JR上野駅公園口
    著者:柳美里
    発売日:2017年02月
    発行所:河出書房新社
    価格:660円(税込)
    ISBNコード:9784309415086

    1933年、私は「天皇」と同じ日に生まれた——。
    東京オリンピックの前年、男は出稼ぎのために上野駅に降り立った。そして男は彷徨い続ける、生者と死者が共存するこの国を。
    高度経済成長の中、その象徴ともいえる「上野」を舞台に、福島県相馬郡(現・南相馬市)出身の一人の男の生涯を通じて描かれる死者への祈り、そして、日本の光と闇……。
    「居場所を失くしたすべての人たち」へ贈る、魂の物語。

    なお受賞を受け、河出文庫『JR上野駅公園口』の重版が決定(5万部)。

    11月30日(月)頃より、重版分が書店店頭に並びます。

    柳美里さん受賞コメント
    とても、うれしいです。
    『Tokyo Ueno Station』を、日本語から英語に翻訳したのは、モーガン・ジャイルズです。
    いま、モーガンと並んで、授賞式会場にいられないことが残念です。
    いま、ここに、モーガンがいたら、ハイタッチをして、抱き合うのに……。

    わたしが暮らしている場所は、日本の福島県南相馬市です。
    2011年3月に爆発事故を起こした原発から16キロ地点の旧警戒区域で、わたしは、本屋を営みながら小説を書いています。

    『Tokyo Ueno Station』は、南相馬市出身の男性が主人公で、会話は、ほぼ全てこの地方の方言で書いています。
    日本の標準語ではないのです。
    翻訳の難易度が極めて高い作品です。
    しかも、『Tokyo Ueno Station』は、モーガンが初めて訳した長篇小説です。
    わたしは、モーガンを、讃えたい。
    話したいこと、感謝を伝えたい人はたくさんいますが、モーガン、ありがとう!

    そして、地震と津波と原発事故に遭い、苦難の道を歩んでいる福島県の南相馬市の住民たちと、この喜びを分かち合いたいと思います。

    柳美里(@yu_miri_0622)2020年11月19日Twitterより

    モーガン・ジャイルズさん受賞コメント
    柳美里と私が全米図書賞翻訳文学部門を受賞したことを大変光栄に思います。
    夢が実現したことを、福島の人々、ホームレスを経験している人々と共有したいと思います。
    彼らの物語を届けるために、小さな役割が果たせたことを光栄に思っています。

    Morgan Giles(@wrongsreversed)2020年11月19日Twitterより

    柳美里(ゆう・みり)http://yu-miri.com/
    1968年生まれ。高校中退後「東京キッドブラザース」に入団。役者、演出助手を経て、86年演劇ユニット「青春五月党」を結成。1993年『魚の祭』で岸田戯曲賞、1997年『家族シネマ』で芥川賞を受賞。2000年以降「山手線」をテーマにした『グッドバイ・ママ』『まちあわせ』『JR上野駅公園口』を刊行。2016年刊『ねこのおうち』は読者の感動を呼び、話題作となった。
    「国家とは何か?」という問題に挑んだエッセイ集『国家への道順』、南相馬を舞台にした戯曲『町の形見』、山折哲雄との対談集『沈黙の作法』他著書多数。2018年には福島県南相馬市に書店「フルハウス」を開業、自ら店長をつとめる。

    モーガン・ジャイルズ(Morgan Giles)
    米国ケンタッキー州出身。インディアナ大学日本語科卒業。翻訳家、書評家。ロンドン在住。




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