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約100万人のユーザーを抱え、2,500万件以上の感想・レビューが投稿されている「読書メーター」。
このランキングでは、そんな読書メーターで「今注目が集まっている本」を紹介します! “次に読む一冊”を見つける参考にどうぞ。
10月の第1位は、下村敦史さんによる『同姓同名』。『闇に香る嘘』などで知られる下村さんが、「主要人物全員が同姓同名」というトリッキーな設定のもと、私たちをとりまく現代社会の危うさを、巧みな展開で浮かび上がらせるミステリー小説です。
物語の主要人物は、殺人事件を犯した「大山正紀」と、彼の名が世間に知れ渡ったことで被害を受け、“同姓同名被害者の会”を結成した10人の「大山正紀」たち。小説ならでは、簡単な特徴は記されているものの〈顔〉が見えないまま転がっていく物語に、ぐいぐい引き込まれた読者が多かったようです。
いち早く『同姓同名』を読んだ皆さんのレビューはこちら。次々出てくる「大山正紀」に混乱しそう……と心配な方は、メモをとっておくといいかもしれません。
16歳の少年が犯した女児惨殺事件。少年法に守られたが実名が週刊誌にバレてしまった事で、犯人と同姓同名の人たちの生活にも暗い影が落ちた。めちゃくちゃ面白かった。犯人に辿り着いたと思ったらスルリとかわされ、右往左往させられる。後半は著者の強いメッセージが胸に刺さり涙が滲む。このタイミングで読めた事が嬉しい。
(ユーザー名:うさうさ)
執拗悪質なあおり運転のドライブレコーダーの映像がテレビ等で映し出された時、なぜあおり運転した人の顔をぼやかし車のナンバーを隠すのだろうと思ってしまう自分は、この物語が描く「許すことを許さない」人間なのだろうかというモヤモヤが消えない読書だった。ネットの「自分は絶対正義」感にまみれた無責任な言いっぱなしを苦々しく思ってはいたが、それによって無辜の人々が被る被害は、誰がどうやって償うのだろうという思いはどうしても消せない。被害者意識に支配されている自分なのかなぁ。苦しい読書だった。
(ユーザー名:蒼)
猟奇殺人を犯した「大山正紀」、サッカーに夢をかけた「大山正紀」、殺された「大山正紀」、アニメ世界に没頭する「大山正紀」……。あと何人の「大山正紀」がいたのやら(^o^;)。凝りに凝った設定と二重三重の仕掛けで大いに混乱。同姓同名ゆえに負の連鎖に陥ってしまった大山正紀―ズですが、魔女狩りのような集団ヒステリーは、今のコロナ禍も見方を変えれば同じかも。
(ユーザー名:とん大西)
なお、ランキング トップ10は下記のとおりです。
それぞれのレビューも、ぜひ読書メーターでチェックしてみてくださいね。
※集計期間:2020年10月1日(木)~31日(土)。期間中の本の登録数・レビュー投稿数を集計。
・第1位『同姓同名』(下村敦史/幻冬舎)
・第2位『彼女が天使でなくなる日』(寺地はるな/角川春樹事務所)
・第3位『真夜中のたずねびと』(恒川光太郎/新潮社)
・第4位『汚れた手をそこで拭かない』(芦沢央/文藝春秋)
・第5位『滅びの前のシャングリラ』(凪良ゆう/中央公論新社)
・第6位『Another 2001』(綾辻行人/KADOKAWA)
・第7位『私は女になりたい』(窪美澄/講談社)
・第8位『もう、聞こえない』(誉田哲也/幻冬舎)
・第9位『僕の神さま』(芦沢央/KADOKAWA)
・第10位『楽園の烏』(阿部智里/文藝春秋)
それでは、次回もお楽しみに!!
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