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約100万人のユーザーを抱え、2,500万件以上の感想・レビューが投稿されている「読書メーター」。
このランキングでは、そんな読書メーターで「今注目が集まっている本」を紹介します! “次に読む一冊”を見つける参考にどうぞ。
8月の第1位は、寺地はるなさんの『やわらかい砂のうえ』です。
『希望のゆくえ』『水を縫う』、そして今作と、続けて新作が発売されている寺地さん。さらに8月末には『彼女が天使でなくなる日』が発売されました。昨年刊行の『夜が暗いとはかぎらない』は第33回山本周五郎賞にノミネート、選考会を9月17日(木)に控え、こちらにも注目が集まっています。
ランキング第1位に輝いた『やわらかい砂のうえ』は、税理士事務所で働く24歳の女性・万智子が、人生初めての「恋」との格闘を通して自分を見つめ、成長していく姿を描いた物語。
事務所のお客様に頼まれて週末限定でアルバイトすることになったウエディングサロン、サロンのオーナーを通して知り合った“年上の女友達”、人生初の恋のときめきを体験することになる、ある男性との出会い……。頑ななところのある万智子は、何を考え、どんなふうに変化していくのでしょうか?
いち早く読んだ読者からは、こんなレビューが寄せられています。
これは、生きづらさを抱え、ちょっぴり生きるのが下手な人たちへのメッセージ。何をしていても、どこにいても心もとなく、劣等感に苛まれ自信がない。そんな主人公と自分が重なり合うところもあり、チクリチクリと心に突き刺さる。同じ人なんていない。みんな違ってあたりまえ。わかっているのに、つい自分の価値観を押しつけてしまう。相手も自分も傷つくだけなのに。彼女が新しい自分を見つけていくまでの数々のアドバイスは、気づかされて得ることばかり。最後にはしっかりとした意志、自分らしさを手にした彼女の姿は颯爽としてとても眩しい。
(ユーザー名:びびん)
他人の価値観を押しつけられることには反発するのに、自分の価値観は正しいと思う。最初は万智子にイライラしたよ! 美人だから幸せな恋ができる? スマートな男性に弱点なんてない? 万智子だって交際経験がないのを純粋と言われるのに違和感を持ったでしょう? 他人なんて一面しか見えない。これからいろんな面を見ることになるだろうし、歩んで行く道は心許なくて誰かにすがりたくなるけど。手を繋ぐ人を巻き添えにしないようにしっかり自分でも立つ。最後のシーンは可愛すぎてほっこり。かっこよくなくてもめんどくさくても、私はこのふたりが好き。
(ユーザー名:はやか)
人はどこからでも『新しい一歩』を踏み出すことが出来る。誰かの眼を通しての自分じゃなくて、自分の好きな自分でいたい―― 地元で生まれ育ち嫁いでここまで来た私。24歳の頃どんなだった? 寺地さんの作品はいつもちょっと考えさせられる。真面目だったり正義だったり……どこか僻んだり歪んでいる自分の内面と向き合うのだ。完璧などない。その都度迷い悩み、それでも自分の足に合った靴を履いて来た。懐かしい靴もあるがそれは今の私には似合わない。それでいいのだと独りごちる。
(ユーザー名:いつでも母さん)
なお、ランキング トップ10は下記のとおりです。
前回首位の『おいしくて泣くとき』は、第2位と引き続き人気。今回は芥川賞受賞作『首里の馬』『破局』や、森見登美彦さんの『四畳半神話大系』16年ぶりの続編となる『四畳半タイムマシンブルース』などがランクインしています。
それぞれのレビューも、ぜひ読書メーターでチェックしてみてくださいね。
※集計期間:2020年8月1日(土)~31日(月)。期間中の本の登録数・レビュー投稿数を集計。
第1位『やわらかい砂のうえ』(寺地はるな/祥伝社)
第2位『おいしくて泣くとき』(森沢明夫/角川春樹事務所)
第3位『サキの忘れ物』(津村記久子/新潮社)
第4位『首里の馬』(高山羽根子/新潮社)
第5位『君が夏を走らせる』(瀬尾まいこ/新潮文庫)
第6位『破局』(遠野遥/河出書房新社)
第7位『法廷遊戯』(五十嵐律人/講談社)
第8位『四畳半タイムマシンブルース』(森見登美彦、原案:上田誠/KADOKAWA)
第9位『満月珈琲店の星詠み』(望月麻衣/文春文庫)
第10位『マカロンはマカロン』(近藤史恵/創元推理文庫)
それでは、次回もお楽しみに!!
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