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  • 上半期、最も本が売れた日は「2019年12月28日」 その日一番売れたのは?

    2020年07月11日
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    古幡瑞穂(日販 マーケティング部)
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    早いもので、2020年も折り返し地点を過ぎました。今回は、2020年上半期(2019年12月~2020年5月)を「最も本・雑誌が売れた日」「最も売れなかった日」という観点で振り返ります。

    新型コロナウイルス感染症の流行は、書店店頭にも大きな影響を与えました。ただし、『鬼滅の刃』ブームの継続もあり、全体のPOS売上は前年実績を超える月が続いています。そして過去の調査からは、曜日や天候が売上に影響することもわかっています。

    これらが売上にどのように反映されているのか、また、売上にはどんな要素が影響するのかを、あらためて見てみましょう。

     

    12月の強さは変わらず 『鬼滅の刃』新刊発売と休校が大きく影響

    上のグラフは、日本出版販売の日別POS売上データ(※オープンネットワークWIN対象店)から期間内の平均値を出し、それぞれの日の平均比を示したものです。ここからも、新型コロナウイルス感染症流行がピークとなり、緊急事態宣言の発令によって休業や時短営業の店舗が増えた4月・5月の苦戦が見てとれます。特に4月上旬・5月上旬に、平均を下回っている日が多いことがわかります。

    全体としては2019年12月が圧倒的に好調で、この傾向は例年と変わらず。年末年始の休暇中に売上水準が上がり、その後急落しています。

    ただ、これまでの傾向だと2月にぐっと数字が落ち込むのですが、2月4日に『鬼滅の刃』第19巻が発売されたこともあり、2020年は落ち込みが抑えられました。また、一斉休校要請がなされて初めての土曜日である2月29日に、大きく売上が跳ねていることもわかります。

    上の表は、期間内の売上平均値に対して「平均以上だった日数」「平均以下だった日数」を月ごとにまとめたもの。右端の列に、月単位の平均比も掲載しています。

    2019年12月に次いで数字がよかったのは、2020年3月。休校期間中は、平日の売上も高めに推移していました。

     

    売上がよかった日トップ10 2月29日に『鬼滅の刃』第8巻が売れた理由は?

    それでは、売上がよかった日はいつだったのか、その日に何が売れていたのかを見ていきましょう。

    売上がよかった日トップ10はこちら(※最も売れたタイトルは、日販 オープンネットワークWIN調べ)。実に7割が12月となっています。

    例年、12月の土曜日・日曜日は売上水準が高い傾向にありますが、2019年はそのピークが後ろ倒しになり、12月28日・29日に高い売上を記録しました。年末休暇が長かったという暦の関係もありますが、駆け込み需要がより大きくなっているようです。

    第3位となった5月13日は、『鬼滅の刃』第20巻の発売日でした。初版280万部、シリーズ累計発行部数6000万部突破(電子版含む)、さらに同作初の特装版発売ということで注目度は抜群。書店店頭では三密を避けるさまざまな工夫がなされ、コロナ禍でも相当な売れ行きを見せました。

    そして、今回の調査で特異性を見せたのが「2月29日」。最も売れたのは、なんと2017年発売の『鬼滅の刃』第8巻でした。

    この日は、政府からの一斉休校要請がなされて初めての土曜日。休校中の読みものを買いにきた方の多さが、このことから見えてきそうです。なお『鬼滅の刃』第8巻は、10月に公開される劇場版の原作エピソード(無限列車編)収録巻となっています。

    鬼滅の刃 8
    著者:吾峠呼世晴
    発売日:2017年10月
    発行所:集英社
    価格:440円(税込)
    ISBNコード:9784088812120

     

    売上が悪かった日には、何があったのか?

    それでは、売上が悪かった日はいつだったのでしょう。

    過去のこの調査では、地震・水害・台風など、荒天の日や災害時に大きな落ち込みが見られましたが、今回はやはり「新型コロナウイルス」の影響が色濃く出る結果となりました。

    最も売上が悪かったのは、4月13日。4月7日の緊急事態宣言発令、続いて11日の「企業への出勤者削減要請」「接客を伴う飲食店の利用自粛拡大要請」があってから初の平日でした。全国的な荒天も加わり、大幅に数字が落ち込んでいます。

    興味深いのは、『鬼滅の刃』新刊発売前日に大きく数字が落ち込んでいる点です。

    爆発的な売上を記録するであろう日の前日、読者の心にはどんな心理が起きているのか、それとも偶然なのか。

    いま集まってきている7月3日付近のデータの傾向、きたる第22巻発売日の前後の動向が気になるところです。




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