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2020年6月16日(火)、日本文学振興会より第163回直木三十五賞の候補作が発表された。
今回直木賞にノミネートされたのは、伊吹有喜「雲を紡ぐ」、今村翔吾「じんかん」、澤田瞳子「能楽ものがたり 稚児桜(ちござくら)」、遠田潤子「銀花の蔵」、馳星周「少年と犬」の5作。遠田氏は初ノミネートとなる。
選考会は、2020年7月15日(水)に築地「新喜楽」にて開催。今回より、新任の三浦しをん氏が選考に参加する(着任決定時の記事はこちら)。贈呈式は、8月下旬に都内で行なわれる。
また受賞作は、8月22日(土)発売の「オール讀物」9・10月合併号に作品の一部と選評が掲載。芥川賞受賞作は、8月10日(月)発売の「文藝春秋」9月号に全文と選評が掲載される。
・伊吹有喜「雲を紡ぐ」(文藝春秋)
・今村翔吾「じんかん」(講談社)
・澤田瞳子「能楽ものがたり 稚児桜」(淡交社)
・遠田潤子「銀花の蔵」(新潮社)
・馳星周「少年と犬」(文藝春秋)
いぶき・ゆき。1969年生まれ、三重県出身。中央大学法学部卒業。1991年に出版社に入社し、雑誌主催のイベント関連業務、雑誌編集部を経て、フリーランスのライターに。2008年『風待ちのひと』(「夏の終わりのトラヴィアータ」より改題)で第3回ポプラ社小説大賞・特別賞を受賞してデビュー。
主な作品:
・『風待ちのひと』(ポプラ社刊)=第3回ポプラ社小説大賞・特別賞受賞
・『四十九日のレシピ』(ポプラ社刊)
・『なでし子物語』(ポプラ社刊、ほかシリーズ2冊)
・『ミッドナイト・バス』(文藝春秋刊)=第27回山本周五郎賞候補、第151回直木賞候補
・『BAR追分』(角川春樹事務所刊、ほかシリーズ2冊)
・『今はちょっと、ついてないだけ』(光文社刊)
・『カンパニー』(新潮社刊)
・『彼方の友へ』(実業之日本社刊)=第158回直木賞候補、第39回吉川英治文学新人賞候補
いまむら・しょうご。1984年、京都府生まれ。2016年「狐の城」で第23回九州さが大衆文学賞大賞・笹沢左保賞を受賞。2017年、文庫書下ろし『火喰鳥 羽州ぼろ鳶組』でデビュー。2018年、「童神」で第10回角川春樹小説賞を受賞(刊行時に『童の神』と改題)。
主な作品:
・『火喰鳥 羽州ぼろ鳶組』(祥伝社文庫刊、ほかシリーズ10冊)=『火喰鳥』で第7回歴史時代作家クラブ賞・文庫書き下ろし新人賞
・『くらまし屋稼業』(ハルキ文庫刊、ほかシリーズ6冊)
・『童の神』(角川春樹事務所刊)=第8回本屋が選ぶ時代小説大賞候補、第160回直木賞候補、第10回山田風太郎賞候補
・『ひゃっか!』(文響社刊)
・『てらこや青義堂 師匠、走る』(小学館刊)
・『八本目の槍』(新潮社刊)=第41回吉川英治文学新人賞受賞
さわだ・とうこ。1977年、京都府生まれ。同志社大学大学院文学研究科博士課程前期修了。奈良時代仏教制度史、正倉院文書の研究を経て、2010年『孤鷹の天』でデビュー。
主な作品:
・『孤鷹の天』(徳間書店刊)=第17回中山義秀文学賞受賞
・『満つる月の如し 仏師・定朝』(徳間書店刊)=第2回本屋が選ぶ時代小説大賞、第32回新田次郎文学賞受賞
・『若冲』(文藝春秋刊)=第153回直木賞候補、第9回親鸞賞および第5回歴史時代作家クラブ賞受賞
・『腐れ梅』(集英社刊)=第8回山田風太郎賞候補
・『火定』(PHP研究所刊)=第158回直木賞候補
・『落花』(中央公論新社刊)=第39回吉川英治文学新人賞候補、第32回山本周五郎賞候補、第161回直木賞候補
とおだ・じゅんこ。1966年、大阪府出身。関西大学卒業。2009年「月桃夜」で第21回日本ファンタジーノベル大賞を受賞。同年、同作を収録した『月桃夜』でデビュー。
主な作品:
・『アンチェルの蝶』(光文社刊)=第15回大藪春彦賞候補
・『雪の鉄樹』(光文社刊)=「本の雑誌 おすすめ文庫王国2017」第1位
・『冬雷』(東京創元社刊)=第1回未来屋小説大賞受賞、第71回日本推理作家協会賞長編および連作短編集部門候補
・『オブリヴィオン』(光文社刊)=「本の雑誌が選ぶ2017年度ベスト10」第1位
・『ドライブインまほろば』(祥伝社刊)=第22回大藪春彦賞候補
はせ・せいしゅう。1965年、北海道生まれ。横浜市立大学卒業。書評家などを経て、1996年『不夜城』でデビュー。
主な作品:
・『不夜城』(角川書店刊)=第18回吉川英治文学新人賞受賞、第15回日本冒険小説協会大賞受賞
・『鎮魂歌 不夜城Ⅱ』(角川書店刊)=第51回日本推理作家協会賞(長編部門)受賞
・『漂流街』(徳間書店刊)=第1回大藪春彦賞受賞
・『蒼き山嶺』(光文社刊)
・『雨降る森の犬』(集英社刊)
・『四神の旗』(中央公論新社刊)
直木賞は、芥川賞と同じく日本文学振興会が昭和10年に制定。 新聞・雑誌(同人雑誌を含む)あるいは単行本として発表された短編および長編の大衆文芸作品のうち、最も優秀なものに贈られ(応募方式ではない)、無名・新進・中堅作家が対象となっている。授賞は上半期・下半期の年2回。選考委員は、浅田次郎・伊集院静・角田光代・北方謙三・桐野夏生・髙村薫・林真理子・三浦しをん(新任)・宮部みゆきの各氏となっている。