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2020年6月16日(火)、日本文学振興会より第163回芥川龍之介賞の候補作が発表された。
今回芥川賞にノミネートされたのは、石原燃「赤い砂を蹴る」、岡本学「アウア・エイジ(Our Age)」、高山羽根子「首里の馬」、遠野遥「破局」、三木三奈「アキちゃん」の5作で、高山氏以外の4名が初ノミネート。石原氏と三木氏は、小説家デビュー作がノミネートされた。
選考会は、2020年7月15日(水)に築地「新喜楽」にて開催。今回より、新任の平野啓一郎氏が選考に参加する(着任決定時の記事はこちら)。贈呈式は、8月下旬に都内で行なわれる。
また受賞作は、8月10日(月)発売の「文藝春秋」9月号に全文と選評が掲載。直木賞受賞作は、8月22日(土)発売の「オール讀物」9・10月合併号に作品の一部と選評が掲載される。
・石原燃「赤い砂を蹴る」(文學界6月号)
・岡本学「アウア・エイジ(Our Age)」(群像2月号)
・高山羽根子「首里の馬」(新潮3月号)
・遠野遥「破局」(文藝夏季号)
・三木三奈「アキちゃん」(文學界5月号)
いしはら・ねん。1972年、東京都生まれ。武蔵野美術大学卒。2009年より劇作家として活動。2010年「フォルモサ!」で劇団大阪創立40周年の戯曲賞にて大賞を受賞。2011年、短編「はっさく」が「テアトロ」10月号に掲載、その抜粋版がNYの演劇人が立ち上げたチャリティー企画「震災 Shinsai:Theaters for Japan」で取り上げられ、2012年3月11日に全米で上演される。本作「赤い砂を蹴る」が小説デビュー作となる。
主な作品:
・「はるか」(「せりふの時代」Vol.56)
・「はっさく」(「テアトロ」2011年10月号)=2012年「震災 Shinsai:Theaters for Japan」にて全米上演
・「人の香り」(『優秀新人戯曲集2013』所収)=第18回劇作家協会新人戯曲賞最終候補
・「父を葬る」(「テアトロ」2013年4月号)=第24回テアトロ新人戯曲賞佳作受賞
・「沈黙」(「テアトロ」2014年11月号)=第22回OMS戯曲賞最終候補
・「白い花を隠す」(「テアトロ」2017年5月号)
おかもと・まなぶ。1972年、東京都生まれ。早稲田大学教育学部理学科数学専修卒。早稲田大学大学院国際情報通信研究科博士課程修了。博士(国際情報通信学)。日本電信電話株式会社勤務、神奈川工科大学情報学部准教授を経て、2017年より教授。2012年、「架空列車」で第55回群像新人文学賞を受賞。同年、本作を収録した『架空列車』でデビュー。
主な作品:
・『架空列車』(講談社刊)
・『再起動』(講談社刊)
・「俺の部屋からは野球場が見える」(「群像」2018年4月号)
たかやま・はねこ。1975年、富山県生まれ。多摩美術大学美術学部絵画学科卒。2010年「うどん キツネつきの」が第1回創元SF短編賞の佳作に選出される。同年、同作を収録したアンソロジー『原色の想像力』(創元SF文庫)でデビュー。2016年「太陽の側の島」で第2回林芙美子文学賞受賞。
主な作品:
・『うどん キツネつきの』(東京創元社刊)=第36回日本SF大賞最終候補
・『オブジェクタム』(朝日新聞出版刊、「太陽の側の島」併録)=第39回日本SF大賞最終候補
・『居た場所』(河出書房新社刊)=第160回芥川賞候補
・『カム・ギャザー・ラウンド・ピープル』(集英社刊)=第161回芥川賞候補
・『如何様』(朝日新聞出版刊)=第41回野間文芸新人賞候補
とおの・はるか。1991年、神奈川県生まれ。慶應義塾大学法学部卒。2019年「改良」で第56回文藝賞を受賞しデビュー。
主な作品:
・『改良』(河出書房新社刊)
みき・みな。1991年、埼玉県生まれ。2020年「アキちゃん」で第125回文學界新人賞を受賞しデビュー。
主な作品:
・「アキちゃん」(「文學界」2020年5月号)
芥川賞は、直木賞と同じく日本文学振興会が昭和10年に制定。新聞・雑誌(同人雑誌を含む)に発表された純文学短編作品のうち最も優秀なものに贈られ(応募方式ではない)、主に無名もしくは新進の作家を対象としている。授賞は上半期・下半期の年2回。選考委員は、小川洋子・奥泉光・川上弘美・島田雅彦・平野啓一郎(新任)・堀江敏幸・松浦寿輝・山田詠美・吉田修一の各氏。