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約100万人のユーザーを抱え、2,400万件以上の感想・レビューが投稿されている「読書メーター」。
このランキングでは、そんな読書メーターで「今注目が集まっている本」を紹介します! 今回は、不安な日々が続く今だからこそ読むべき本が第1位となりました。
“次に読む一冊”を見つける参考にどうぞ。
4月の第1位は、『コロナの時代の僕ら』。物理学博士号をもち、長編デビュー作『素数たちの孤独』がベストセラーとなっているイタリア人作家 パオロ・ジョルダーノ氏のエッセイです。
同作で綴られているのは、イタリアでパンデミックの兆しがあらわれ始めた2月末~3月初旬にかけてのこと。首都ローマ在住のパオロ氏の文章を、そこから車で2時間ほどの、森に囲まれたマルケ州・モントットーネ村に暮らす飯田亮介さんが翻訳しています。
日本語版には、著者あとがきとして後日談を収録。4月25日(土)の発売に先がけ、4月10日(金)から48時間限定で無料公開が行なわれたことも、注目を集めた理由となりました。
『コロナの時代の僕ら』には、こんなレビューが寄せられています。
ビリヤードの球に例えた感染、水が出たままの水道の蛇口に例えた医療現場の状況など、具体的な例でとても分かりやすい。数学的思考によるエッセイだが、難しい言葉ではなくより分かりやすい言葉で語りかけられているところに、より多くの人々にこれを読み、考え、行動してもらいたいという作者の強い思いを感じた。
(ユーザー名:NAO)
物理学者らしい数学的分析と簡潔で明晰な文章で今の状況を見事に示してくれている。アールノート、SIRなどは日本でも専門家が日々語ってくれているけどこの文章ですんなり理解できた。こうした分析ができる人には今の状況が見えていたんだろう。気候変動や他の要因も絡めて今の状況を考える視点が示されており、拡大傾向の不安の中ではあるが今読めて良かった。比較的冷静な本文と異なり後書きは感情的。キャンセルできなかった飛行機のチケットで彼はどこに行こうとしていたんだろう。
(ユーザー名:はやしま)
「感染した人が悪い」「感染が始まった地域が悪い」と短絡的に責めることを恥じた人々が行き着く「コロナ(ウイルス)が悪い」。悪の根源を追求したくなるのは人情だけれど、ウイルスでさえ生存戦略の下、地球上で生きている(生物でなくとも)。それが宿主であるヒトから見れば不都合、というだけの自然の構図に気付かされる。パンデミックは偶発的で特殊な事故などではなく、生態系に組み込まれ生きる以上は避けがたい現象。そう考えれば、繰り返す脅威に対し、その場限りの「揮発性の意識」では済まないという筆者の決意が、我が身に染みる。
(ユーザー名:みつけるちゃん)
「すべてが終わった時、本当に僕たちは以前とまったく同じ世界を再現したいのだろうか」
この一文、実は私がずっと疑問に思っていたことと重なりドキリとした。このコロナウィルスのことではない。震災からの復興、という言葉に対してだ。復興とは一体どこを目指しているのだろう、と。全く異なる危機的事態だが、通じる何かがあるのなら、それは「忘却」というキーワードなのではないだろうか。理論的でありながら切々と訴えかける著者の言葉は、この不安と混乱のさなかに、私たちが見極めなければならないことを示してくれる。(ユーザー名:ベル@bell-zou)
なお、ランキング トップ10は下記のとおりです。
※集計期間:2020年4月1日(水)~30日(木)。期間中の本の登録数・レビュー投稿数を集計。
第1位『コロナの時代の僕ら』(パオロ・ジョルダーノ、訳:飯田亮介/早川書房)
第2位『たおやかに輪をえがいて』(窪美澄/中央公論新社)
第3位『〈あの絵〉のまえで』(原田マハ/幻冬舎)
第4位『ザリガニの鳴くところ』(ディーリア・オーエンズ、訳:友廣純/早川書房)
第5位『発注いただきました!』(朝井リョウ/集英社)
第6位『うちの父が運転をやめません』(垣谷美雨/KADOKAWA)
第7位『丸の内魔法少女ミラクリーナ』(村田沙耶香/KADOKAWA)
第8位『逆ソクラテス』(伊坂幸太郎/集英社)
第9位『暴虎の牙』(柚月裕子/KADOKAWA)
第10位『シン・ニホン』(安宅和人/NewsPicksパブリッシング)
それでは、次回もお楽しみに!!
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