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日販の「店頭売上前年比調査(2月期)」が発表されました。
これは当年・前年ともに売上データが取得できている店舗を集計対象としたもの。2月は1,710店のデータをもとに作成されています(1月は1,729店)。
2月の書店店頭売上は全体で前年比105.0%。閏年で営業日が1日多かったことから、2019年12月、2020年1月に続き3か月連続での前年超えを達成しました。
一方、引き続き勢いをみせているのが『鬼滅の刃』。関連商品は現時点で23点ありいずれも売れ行き好調で、POS売上全体の6.8%を占めるなど依然大きく影響しています。その勢いは、閏年による押し上げ影響(5.7%)をしのぐほどでした。
また、2月27日(木)に政府が一斉休校要請を行なった影響で、学参・児童書の売上が急増。小学校低学年向けのドリルを中心に売上を伸ばし、全体の客単価も大きく上向きました。
▼2月期の客単価の推移(日販POS調べ/集計可能な471店舗が対象)。大きく落ち込んでいる2月4日(火)は、『鬼滅の刃』第19巻の発売日でした
続いて、ジャンル別の調査結果を細かく見ていきます。
雑誌は前年比95.6%。前月同様の数字ですが、アイドル誌の動きがよく、月刊誌は100%超えとなっています。
なかでも好調だったのは「Myojo」4月号(表紙:Snow Man)、「DUeT」3月号(表紙:Travis Japan)、「POTATO」3月号(表紙:なにわ男子)など。
また週刊誌は、「週刊少年ジャンプ」2月10日発売号(付録:『鬼滅の刃』特製クリアしおり)が完売するなど好材料もありましたが、分冊百科に大きなタイトルがなく、前年の実績を大きく割り込んでいます。
書籍は前年比98.6%。総記、ビジネス書、専門書、学参、児童書の5ジャンルが、前年売上をクリアしています。
特に大きな動きを見せたのが学参・児童書。コロナウイルス感染拡大対策として一斉休校の要請があった2月27日(木)以降、未就学児・小学生向けのドリルや絵本、読み物などの売上が急激に伸びています。
学参は一斉休校要請のあった2月27日(木)以降、前年同日比で約300%(28日)、約560%(29日※)に。児童書も約160%(28日)、約340%(29日※)となりました。
学参は2019年7月以来、児童書は2019年6月以来の前年比100%超えです。
※2020年2月29日(土)の実績は2019年2月28日(木)と比較
コミックは133.1%と、5か月連続での前年クリアとなりました。また2013年11月の集計開始以来、初の「対前年130%超」を記録しています。
冒頭で『鬼滅の刃』関連商品の売上シェアが6.8%だと述べましたが、コミックに絞って見てみると、2月期における『鬼滅の刃』関連商品の売上シェアは約29%。
しかしこれを差し引いてみても、まだ前年以上の売上となっています。
新型コロナウイルスの感染が広がっている影響で、消費者の行動にも大きな変化が起きています。経済活動・消費意欲の冷え込みがすでに議論されていますが、本文中で触れた一斉休校要請による学参、児童書の売上急増もあり、週末にかけて客単価が上がった例も。子ども向けの商品は、3月に入っても好調に動いています。
外出が難しくなるにつれ、感染病や対策についての本だけでなく、レシピ本や運動不足解消のための健康本など、実用書ジャンルにも新たな動きが出てくるかもしれません。