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  • 2019年で「売上瞬間風速」が最大だったタイトルを調べてみた

    2020年02月04日
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    古幡瑞穂(日販 マーケティング部)
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    2019年の年末には、さまざまな種類のランキングが発表されました。

    どのランキングのラインアップからも、2019年を代表した本が見えてきます。樹木希林関連本が話題になったことに始まり、コミックの大幅復調があり、後半に入ると『鬼滅の刃』が大ブレイク。これら以外にもニュースが続きましたが、それでは、どんなきっかけが、実際に「本を買う」ことに繋がっていたのでしょうか。

    2019年1月~12月までの売上冊数を「日別×タイトル別」に集計し、ランキングを作ってみました。コミック・文庫・書籍(総合)の3つの分類で見てみましょう。

     

    コミックのダントツは、やはり『鬼滅の刃』

    今回ランキングを作成してみて、最も売上冊数の規模が大きかったのはやはりコミックでした。

    日別の全体売上冊数がダントツだったのは12月4日(水)で、この日は『鬼滅の刃』第18巻の発売日。第2位『ONE PIECE』第95巻の発売日(12月28日(土))の倍近い売上を記録しました(とはいえ『ONE PIECE』の貢献度は大きく、集計期間内に発売された巻すべてが上位に入っています)。

    第2位~第7位まで『ONE PIECE』が並んだあと、第8位に入ったのが『鬼滅の刃』第17巻の、発売初日の売上。

    『鬼滅の刃』は2019年4月から9月までの間、深夜帯にTVアニメが放送されたことで話題になりました。この第17巻は、アニメ放送終了後に初めて発売された巻。それまで以上の初版部数で発売されました。そして、そこから既刊を含めてさらに勢いを増していったのです。

    なお、第1位となった第18巻の発売初日の売上冊数は、第17巻の初日売上の3倍以上となっています。

     

    〈悪天候=売上減〉のセオリーを覆した「十二国記」シリーズ

    続いては、文庫のランキング。18年ぶりの新作長編となった「十二国記」シリーズ『白銀の墟 玄の月』が上位を占めています。

    なんといっても驚異的なのは、10月12日(土)の売上が上位に入っていること。

    大型台風が上陸し、全国的に営業中止・短縮営業が相次いだこの日。これまで何度か「全国的な悪天候の日は、売上が激減する」と伝えてきましたが、そのセオリーが覆されました。

    また、佐伯泰英作品も強さを見せています。ファンが定期的に新刊発売予定をチェックし、発売日に購入していることが、ここからも見えてきます。

     

    発売前のメディア露出で「予約ランキング急上昇→発売初日にピーク」

    それでは最後に、書籍(総合)のランキングを見ていきましょう。

    書籍は搬入発売が原則なので、いわゆる発売日に売上のピークがこないケースが多いのですが、写真集は一斉発売されることが多いため、メディア露出も売上も発売日に大きくなります。

    ランキング第1位は、写真集年間売上ランキングで第1位だった乃木坂46 生田絵梨花さんの写真集『インターミッション』。1月22日(火)は発売初日です。発売日前から民放全局が取り上げ、ダントツの強さを見せました。

    なお写真集の大型新刊は、発売前から露出が始まるケースが増えており、12月に発売された『乃木撮 VOL.02』や、田中みな実さんの写真集『Sincerely yours…』は、発売前の露出によって予約ランキングが上昇し、発売初日に大きな売上を記録しています。

     

    近刊情報を活用して、発売日を「特別な日」に

    今回このランキングを作ったのは、「書籍のパブリシティに最も効く番組はなんだろう?」という疑問がきっかけでした。

    それでいえば、やはり「王様のブランチ」(TBS系)が安定した強さを見せています。他番組では相当な時間を使って紹介されなければなかなか効果が出ないところ、「王様のブランチ」は短い放送時間でも大きな反響があるのです。また、実用系では「中居正広の金曜日のスマイルたちへ」が強いこともわかっています。

    とはいえ、テレビ番組への露出がすべて成功しているわけではありません。

    販促のストーリーと世の中の動きをつなげた継続的・戦略的なPRは効果的です。『一切なりゆき』が何度も売上の山を作り、年間ベストセラーで総合第1位を獲得したのにはそういう背景があります。

    コミックや文庫は、取次が作成する「発売予定一覧」が書店店頭に貼られることで、長年にわたって「近刊情報」が活用されてきました。だからこそ、発売日が「特別な日」となり、消費者が発売日に動くようになっているのだと考えられます。

    2020年には、近刊情報の活用が本格化します。PRや販促計画も前倒しし、発売日を「特別な日」にすることが、何より大切になってきます。




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