'); }else{ document.write(''); } //-->
日販の「店頭売上前年比調査(2019年12月期)」が発表されました。
これは当年・前年ともに売上データが取得できている店舗を集計対象としたもの。12月は1,731店のデータをもとに作成されています(11月は1,736店)。
12月期は、全体で前年比100.7%という結果に。2018年12月期も(ギリギリではありますが)100%超えを記録しており、12月期としては2年連続、今年度としては4月期以来2度目の前年超えとなりました。売上水準の高い土・日・祝日が前年よりも2日少なかったのですが、コミックの売れ行き好調に支えられています。
また11月期・12月期は例年、年末年始向けの季節商品が大きく動く時期です。今回は、特に家計簿が前年並みの売れ行きを維持。「紙の家計簿」の根強い人気が伺えます。
続いて、ジャンル別の調査結果を細かく見ていきます。
雑誌は、「Myojo」が引き続き好調。「会社四季報」も躍進しましたが、「otona MUSE」(付録:DEAN & DELUCA特大デリバッグ)が爆発的に売れた前年実績までには至らず、前年比95.4%となりました。
2019年12月21日(土)に発売された「Myojo」2020年2月号は、King & Prince(表)とSixTONES(裏)のダブル表紙。
「会社四季報」は前年同時期に比べて3~4%程度の伸びを見せ、11月以降に株価の高値が続いた影響で、そのほかの株関連雑誌も好調に売れました。
書籍は前年比94.7%。総記、実用書、新書の3ジャンルが前年実績を超えました。
新書は3か月連続の前年クリア。前月に続き、『鬼滅の刃』ノベライズと『ケーキの切れない非行少年たち』が売上を牽引しているほか、年間ベストセラーが発表されたことで、総合第1位の『一切なりゆき』が勢いを取り戻しました。
実用書は前年比108.3%と大躍進。「ポケットモンスター ソード・シールド」の攻略本を筆頭に、田中みな実さんのファースト写真集『Sincerely yours…』、『乃木撮 VOL.02』が売上を牽引しました。
また12月期は、ダイエット・健康関連本がテレビ番組に取り上げられたケースも多く、『DVDでよくわかる!120歳まで生きるロングブレス』『はじめてのやせ筋トレ』などが売上を伸ばしています。実用書の前年超えは9か月ぶりのことです。
コミックは前年比122.6%。3か月連続の前年クリアとなりました。
年末の来店客数増に貢献したのは、『ONE PIECE』最新95巻の繰り上げ発売(12月28日発売)。また、大ブレイク中の『鬼滅の刃』は12月4日(水)に第18巻が発売され、既刊だけでなく関連本まで含めて大きく売上を伸ばしています。
なお『鬼滅の刃』関連商品の売上が前年比実績に与える影響は、4.4ポイント程度とみられています。
年が明け、1月期がスタート。年始は好調に滑り出しました。
『鬼滅の刃』は現在在庫が枯渇していますが、1月中旬頃に重版分が書店店頭に並びます。これでどこまで売上を伸ばすか、楽しみです。
また同じく1月中旬には、芥川賞・直木賞の発表、さらに本屋大賞ノミネート作の発表が控えています。停滞を続ける文芸書ジャンルの起爆剤になってくれることを期待して、発表を待ちましょう。